2019年5月27日(月)

新興国に5年で120兆円 消えぬ流出懸念
世界金融 危機の芽どこに

東南アジア
北米
中南米
2019/4/18 19:34
保存
共有
印刷
その他

新興国の債券や株式にはこの数年で大量の先進国マネーが流れ込んだ。新興国景気の回復を後押ししてきたが、マネーの流れは市場環境次第で一気に反転するリスクもあり、世界の当局者は警戒を続けている。

新興国市場は資金流出のリスクを抱える(ブラジルの紙幣)=ロイター

米調査会社EPFRによるとこの5年間で新興国に流れた海外の投資マネーは1.1兆ドル(約120兆円)に上る。存在感が大きいのが「パッシブ」と呼ばれるマネーだ。特定の国や債券に集中投資するのではなく「新興国全体」といったテーマに基づき、国の規模に応じて資産を偏りなく配分する運用手法だ。

上場投資信託(ETF)などを通して、機関投資家だけでなく先進国の個人マネーもパッシブで新興国に資金が向かう。国際通貨基金(IMF)によれば「新興国債券」を対象としたパッシブマネーは8000億ドル(約90兆円)と過去10年で4倍に膨らんだ。

こうしたマネーは移ろいやすい。2018年は米景気が好調ななか、米国債や米国株の投資妙味が高まり、新興国からマネーが抜け出す場面もあった。仮に米景気の減速や米株安が起これば、雪崩のようにETFから資金が流出する恐れもある。パッシブが主流なだけに、個々の新興国の景気とは無関係に全域が一斉に流出に見舞われかねない。

急激な資金流出が起これば、通貨安によるインフレや企業の資金繰り懸念につながる。かといって利上げで資金流出を防ごうとすると、景気を冷やしかねない。

米連邦準備理事会(FRB)が利上げを停止したため、こうした懸念はいったん和らいだ。だが新興国の外貨建て債務は膨張が続く。12~14日のIMF・世界銀行総会でも注視が必要なリスクとして活発に議論された。

(ニューヨーク=後藤達也)=随時掲載

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報