2019年5月25日(土)

自然に映える産業都市の魅力発信 愛媛東部で20日開幕
えひめさんさん物語、11月24日まで

サービス・食品
中国・四国
2019/4/18 7:00
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愛媛県東部に位置する西条、新居浜、四国中央の3市を舞台に、地域が誇る製造業や豊かな自然の魅力を発信するイベント「えひめさんさん物語」が20日開幕する。造船所など工場の大型建物に投映する映像劇や、山を駆け登る競技大会など100以上のプログラムが11月24日まで楽しめる。観光振興による交流人口の拡大や、産業を担う将来の人材育成を目指す。

住友共同電力の新居浜西火力発電所での映像劇のイメージ

特産品の販売や太鼓台、だんじりが登場する山根公園(新居浜市)でのセレモニーで開幕する。

3市は半導体などの工場が立地する西条、住友グループを生み出した別子銅山を抱え「工都」とも呼ばれる新居浜、製紙業が集積する四国中央というように、四国有数の工業地帯を形成する。一方で郊外に目を向ければ、西日本最高峰1982メートルの石鎚山に連なる山脈が、海岸線まで近い場所では約10キロにまで迫る豊かな自然にも恵まれる。

「工業の印象が強すぎるあまり自然を生かした地域振興の発想が乏しかった」と県東予地方局商工観光室の増本勝巳室長は振り返る。イベントのテーマは「東予アクティブライフの創造」だ。「平日は工場で働き、週末は山や海で遊ぶ。恵まれた地域であることを再認識し、魅力を全国に発信したい」と意気込む。

イベントは県や3市、経済団体などによる実行委員会が主催する。5月の「ものづくり物語」を皮切りに、9月「山の物語」など6テーマを軸としてコアプログラムを展開する。一般提案による99の企画も予定する切れ目ない構成だ。

「ものづくり」では大型連休の夜の工場を舞台にした映像劇が目玉企画だ。5月3日には今治造船西条工場の100メートル級のクレーンに人の顔を投映し、その顔が語り出すという幻想的な芝居を繰り広げる。4、5日にもそれぞれ住友共同電力新居浜西火力発電所と、大王製紙三島工場でオリジナル映像劇を予定する。いずれも20分程度、立ち見で観覧無料だ。

地元の中小企業も知名度向上の好機と捉える。金属加工など13社が自社技術を生かし、デザイナーや彫刻家らとのコラボで作品を制作し発表する。7月には小学生200人を対象とした職業体験を予定。地元高校生の有志が約30のブースの企画運営を担う。水引細工の体験などを通じて企業を知ってもらい、知名度向上や将来の就職につなげる狙いだ。

このほか自然と親しむ「山」のプログラムでは、初心者向け登山ツアーを企画。11月には山岳の急斜面を駆ける欧州発祥のスポーツ「スカイランニング」の本格的な大会も四国中央で開催する。

これまで愛媛では2年ごとに南予やしまなみ海道周辺などで地域振興イベントを実施してきた。3市での初開催は地元経済界からの要望を受けてきた経緯がある。

3市の2019年の観光客数を16年比1割増の365万人とする目標を掲げる。東京や関西、広島などからも集客を目指し、各地にキャラバン隊を派遣するなどPR活動に力を入れる。瀬戸内国際芸術祭も開幕するため「旅行会社に周遊商品を提案し、瀬戸芸から東予への流れが生み出せたら」(増本室長)と期待する。

魅力的なイベントを企画するが、数が多く長丁場のため全体像はつかみにくい。総事業費約4億5000万円に見合った効果をあげられるか、行政と経済界が一体となって人々を呼び込む取り組みが求められる。(松山支局 棗田将吾)

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