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ロシア疑惑って何? 捜査報告書、18日夜に公表

トランプ氏陣営 16年大統領選で共謀の疑い

米司法省は米国時間18日午前(日本時間同日夜)、2016年の大統領選にロシアが介入した疑惑の捜査報告書を公表する。トランプ大統領は2年にわたって悩まされてきた疑惑を払拭できるのか。これまでの経緯や報告書の注目ポイントをまとめた。

――ロシア疑惑とは何か。

トランプ氏の選挙陣営が16年の大統領選でロシアと共謀した疑いのことだ。選挙活動法は選挙陣営が外国人の支援を受けることを禁じている。たとえばトランプ氏の長男ジュニア氏は選挙前、ライバル候補のヒラリー・クリントン元国務長官に打撃となる情報を持ちかけたロシア人弁護士と面会した。共謀とみなされかねない事例として捜査対象になっていた。

さらにトランプ氏が共謀疑惑の捜査を妨げた疑いもある。トランプ氏は初期段階の疑惑捜査を担当した米連邦捜査局(FBI)のコミー前長官を17年5月に解任した。「ロシアのことが念頭にあった」と理由を説明しており、解任は捜査の打ち切りが目的だった疑いがある。この解任劇を重く見た司法省は政治から独立した立場で捜査を担当する特別検察官にモラー元FBI長官を任命し、捜査を本格化させた。

――捜査報告書の結論は。

モラー氏は3月下旬、捜査結果をまとめた報告書を最終責任者であるバー司法長官に提出した。バー氏によると、モラー氏はトランプ陣営とロシアの共謀疑惑を立証できなかった。18日には立証できないと判断した過程が明らかになる見通しだ。一方、捜査妨害の疑いについてはトランプ氏の不正行為があったと認定できる理由と認定できない理由の双方を指摘。「大統領が罪を犯したと結論づけないが、無罪を証明したものでもない」と曖昧な結論を示した。検察は犯罪行為の有無を明確に判断する役割があり、今回のように判断を示さないのは異例だ。

――なぜ判断を示さなかったのか。

司法省元高官のデイビッド・ラフマン弁護士は判断を示さなかったことを「最大のサプライズ」と指摘している。モラー氏は報告書でこの理由を説明しているとみられ、米メディアや民主党にとって最大の関心事の一つになっている。一部では、モラー氏は事実関係のみを示して捜査妨害の有無の判断を議会に委ねようとしたとの見方が出ている。

――トランプ氏は完全な無実が証明されたと断言している。

それは言いすぎだ。無実を主張する根拠は、捜査結果を精査したバー司法長官が捜査妨害の疑惑について「証拠不十分」と結論づけたことにある。だがバー氏は結論を導いた根拠を示していないほか、モラー氏は「無実を証明したものではない」と断言している。野党・民主党は捜査報告書で不正行為を認定できない理由の説得力に着目する。仮に説得力が乏しければ無実を主張するトランプ氏の正当性が下がると期待しており、追及を強める構えだ。

――トランプ氏が弾劾される可能性はあるのか。

現時点のメインシナリオではないが、可能性は残っている。モラー氏やバー氏は法律違反があったかを精査し、共謀疑惑は「シロ」、捜査妨害は「証拠不十分」と判断した。一方、大統領弾劾を提案するのは議会だ。議会は合衆国憲法が規定する弾劾の条件にトランプ氏の言動があてはまるのかを判断する。極端にいえば、モラー氏らは捜査結果を踏まえて犯罪行為を認定しなかったが、議会が同じ捜査結果を踏まえて憲法に抵触する不正行為があったと判断し、弾劾を発議することがありうる。さらに犯罪ではないが倫理的に不適切な行為が発覚すれば、トランプ氏に打撃になる。

――そもそも捜査報告書はすべて公開されるのか。

全面公開はしない。報告書は約400ページあるが、公開が禁じられている機密情報や個人の名誉を傷つける情報も含まれている。バー氏は公開を認める情報の取捨選択をモラー氏の協力を得て進めている。400ページのうち実際に何割が公開されるかも判然としない。

――民主党は納得するのか。

しない。バー氏が情報を精査する段階でトランプ氏の不正が疑われる言動を隠蔽すると懸念している。とくにバー氏はトランプ氏を擁護する言動が目立っており、民主党は懸念を強めている。民主党は対抗措置として、議会の調査権限を行使して報告書全文の提出を強制する案を検討している。バー氏が議会の要求を拒否すれば、法廷闘争に至る可能性が高まる。

(ワシントン=中村亮)

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