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ハイフラックス淡水化施設、シンガポール政府が接収

【シンガポール=谷繭子】シンガポール政府の公益事業庁(PUB)は17日、経営難に陥っている同国の水処理大手、ハイフラックスから海水淡水化施設を接収すると発表した。5月17日に無償で取得する。ハイフラックスにとって赤字施設の削減につながるものの、経営再建が前進するかどうかは見通しにくい。

ハイフラックスが開発した同国最大の淡水化施設「トゥアスプリング」は赤字が膨らんでいた

トゥアスプリングはシンガポール最大の淡水化施設で、ハイフラックスが10億シンガポールドル(約828億円)超で開発、2013年に運転を始めた。ここに併設する発電所がハイフラックスの経営悪化の引き金となった。

PUBが取得するのは淡水化施設部分だけ。損益は赤字で「資産価値はマイナス」(PUB)だが、ハイフラックスに支払い能力がないため、取得額は無償とする。PUBは施設の接収と併せ、トゥアスプリングから水を買い取る現行の契約も打ち切る。

ハイフラックスは発電事業の損失で資金繰りが急速に悪化し、18年5月に突如、裁判所に債務の支払い猶予を申請した。インドネシアの財閥、サリム・グループなどが同10月、スポンサーに名乗り出たが、19年4月4日に合意を撤回。28億シンガポールドルに上る債務の減免計画や会社の再建計画は白紙に戻った。

ハイフラックスは赤字のトゥアスプリングが接収されれば、「サリムに代わる新スポンサーが見つけやすくなる」と、経営再建の前進に期待を示した。ただ、不採算の発電施設は手元に残り、経営環境が大きく好転したとは言いがたい。

債務の支払い猶予の当面の期限は30日だ。「裁判所から期限の延長を取り付けるには何らかの再建見通しが必要だが、新たな出資者を見つけるのは容易でない」とある債権者は指摘した。

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