レーシングワールド

フォローする

年明け初戦馬のクラシック連勝 大手寡占化の象徴

(1/2ページ)
2019/4/20 6:30
保存
共有
印刷
その他

7日に牝馬の桜花賞(G1、阪神芝1600メートル)、14日に牡馬の皐月賞(同、中山芝2000メートル)と、3歳クラシックの第一関門レースが終わった。両レースともに史上初めて、年明け初戦の馬が優勝。前哨戦を経てクラシックに臨むという、これまでの常識が過去のものになりつつあることを示した。

こうした変化の背景には、競馬産業の寡占化が進むなか、大手生産者が日本中央競馬会(JRA)のトレーニング・センターの外に充実した調教施設を設けたことがある。トレセン外でも負荷をかけた調教が可能になり、前哨戦を使わなくても馬を仕上げられるようになったことから、大手生産者主導で前例のない臨戦過程に挑戦する馬が増えている。

桜花賞レコード、無敗での皐月賞制覇

桜花賞を勝ったのは2018年12月16日の朝日杯フューチュリティステークス(G1)以来の出走となったグランアレグリア(美浦・藤沢和雄厩舎)だった。3着に敗れた朝日杯FSでは、初めて自身の外側から他馬にプレッシャーをかけられる形になり、馬が戸惑ったことが響いた。

その反省から、騎乗したクリストフ・ルメールはゴールまで残り800メートル付近という早いタイミングで馬群の外側を回ってスパートを開始。第4コーナーで先頭に立つと、後続を突き放した。2着馬に2馬身半の差をつける圧勝。走破タイムは1分32秒7と、18年の牝馬三冠馬、アーモンドアイの記録した桜花賞レコードを0秒4更新した。

グランアレグリアは中111日という過去最長のレース間隔で桜花賞に勝利=共同

グランアレグリアは中111日という過去最長のレース間隔で桜花賞に勝利=共同

皐月賞は18年12月28日のホープフルステークス(G1)以来の出走となったサートゥルナーリア(牡、栗東・角居勝彦厩舎)が優勝した。中位馬群の外側を回り、第4コーナーあたりから進出を始めると、最後の直線で2着馬と激しく競り合い、頭差だけ抜け出した。これでデビューから4戦4勝。ディープインパクト以来、14年ぶりに無敗での皐月賞制覇を成し遂げた。

休養明けの臨戦過程となって「不安だらけだった」と心境を明かした角居調教師は「目標は日本ダービー(東京、G1、5月26日)なので、(前哨戦も含め)2度中山に輸送すると疲れが残る」。オーナーサイドと話し合い、ぶっつけでの皐月賞挑戦となったと説明した。

この馬にも騎乗したルメールは「休養明けでまだトップコンディションではなかった。(ダービーの)2400メートルはいけそう。ダービーでもっと強い競馬をするかもしれない」と今後への手応えを語った。

トレセン外に大手牧場の調教施設充実

従来、皐月賞や桜花賞の1カ月ほど前に行われる前哨戦に出走して、本番に向かうというのが定番の臨戦過程だった。この傾向が変わり、10年代に入ってからは間隔を長く取る陣営が増えてきた。

12年の皐月賞では、2月に行われる共同通信杯(G3)からの直行だったゴールドシップがこの臨戦過程の馬で初めての優勝を飾った。以後も14~16年まで共同通信杯から臨んだ馬が3年連続で皐月賞馬となった。桜花賞では18年のアーモンドアイが3カ月ぶりの実戦で優勝した。秋の3歳G1でも休養明けの馬が実績を残しており、アーモンドアイは18年の秋華賞を5カ月ぶりで制覇。同年の菊花賞は約4か月の休養明けだったフィエールマンが勝った。

トレセン外にある大手牧場の調教施設の充実が、休養明けでも好走する馬の増加につながっている。G1だけでなく、条件戦などでもこうした傾向は強まっており、実際に数字にも表れている。年間約3300実施されている平地の全レースを調べると、09年に前のレースから10週以上間隔が空いた馬が挙げた勝ち星は397だったが、18年は733と大幅に増えた。

  • 1
  • 2
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

競馬のコラム

電子版トップスポーツトップ

レーシングワールド 一覧

フォローする
凱旋門賞に3頭が出走した日本勢はキセキの7着が最高だった=共同共同

 20年で「悲願」は「夢」に逆戻りするのか? 10月6日、パリロンシャン競馬場で行われた仏G1、第98回凱旋門賞(芝2400メートル)。3頭が出走した日本勢は、キセキ(牡5)の7着が最高で、ブラストワ …続き (10/19)

英国のニューマーケットで調整する日本調教馬のフィエールマン(前)とブラストワンピース(平松さとし氏提供)=共同共同

 欧州最高峰のレースの一つ、凱旋門賞(G1、芝2400メートル)が6日、フランスのパリロンシャン競馬場で行われる。日本調教馬も3頭が参戦し、国内の競馬関係者が悲願とする優勝を狙う。今回、それ以上に世界 …続き (10/5)

コリアスプリントを制したブルーチッパーの記念撮影。馬の右脇はキム・ヨングァン調教師

 9月8日、韓国ソウル近郊、果川(カチョン)市のソウル競馬公園で、コリアカップ(ダート1800メートル)、コリアスプリント(同1200メートル)の両国際競走が行われた。今年で4回目の両レースは、韓国馬 …続き (9/21)

ハイライト・スポーツ

[PR]