2019年5月24日(金)

日米貿易交渉、デジタル貿易も対象に 車・農業を先行

経済
政治
北米
2019/4/17 9:22
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【ワシントン=飛田臨太郎】日米両政府は16日午後(日本時間17日午前)、閣僚級の貿易交渉の初会合を終えた。協議後に記者会見した茂木敏充経済財政・再生相は「農産品と自動車を含む物品貿易の議論を開始した」と表明した。物品の貿易交渉を先行する。物品に続きデータ取引も交渉対象に含めることで一致した。早期締結に向け、来週に再協議する。

TAG交渉の初会合に参加した茂木経財相、ライトハイザーUSTR代表ら(15日、ワシントン)

TAG交渉の初会合に参加した茂木経財相、ライトハイザーUSTR代表ら(15日、ワシントン)

昨年9月の首脳会談で物品貿易協定(TAG)の交渉入りで合意して以来、茂木氏とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が初めて協議した。会合では農産品と農業を中心に議論した。

日本は農業の関税下げについて環太平洋経済連携協定(TPP)などの水準

が最大限と改めて主張した。TPPの発効で米国の農家は競争環境が不利になりつつある。茂木氏によると、米側からは「こうした状況を早く解消したい」との要望があった。米国が過去に一度、大筋合意していたTPPでは日本は38.5%の牛肉関税を16年目に9%に下げるとしていた。

米国は676億ドル(約7兆5000億円)の対日貿易赤字を改めて問題視した。貿易赤字の大部分は自動車が占める。今後の交渉で日本の自動車の輸入削減や米国産車の日本への輸出拡大に向けて、厳しい要求を突きつける可能性がある。日本は自動車の輸入への数量規制の導入について反対の立場を示した。

茂木氏とライトハイザー氏は昨年9月の共同声明に沿って交渉すると確認した。米国による日本の自動車への輸入関税の引き上げは共同声明で貿易交渉中は回避する趣旨の文言を記した。茂木氏は「日本はきちんと確認をとっている」と述べ、米国による関税上げは当面ないとの見方を示した。

初会合では交渉範囲の設定が議題になっていた。茂木氏は米側と合意したかについて明確な言及は避けたものの、交渉の進め方はまず物品貿易を先行し、データ取引も扱うことを米側と確認した。データ取引以外のサービス分野については「米側から具体的に関心を持っているという分野の言及はなかった」と語った。

データ取引は米側が要求した。近年、拡大するデータを用いたビジネスを促進するための規定を設けることを検討する見通しだ。例えば、デジタル製品に関税を課さないといった取り決めが想定される。大きな制度変更は必要なく「両国がすぐに調整できる内容」(日本政府関係者)という。

通貨安誘導を禁じる為替条項については、茂木氏がライトハイザー氏に対し「17年2月の首脳会談で財務相間で議論すると合意している」と伝えた。為替はTAG交渉の対象外との日本側の方針を示した。ムニューシン米財務長官はTAG交渉に先立ち「為替も議題となり、協定には通貨切り下げを自制する為替条項を含めることになる」と述べていた。

茂木氏とライトハイザー氏は早期に成果を目指すことで一致した。4月26~27日の日米首脳会談を前に再度、米国で会談する。

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