2019年5月23日(木)

アップル、クアルコムと知財紛争で和解 3つのポイント

3ポイントまとめ
ネット・IT
北米
2019/4/17 7:37
保存
共有
印刷
その他

1月に開かれた技術見本市でクアルコムは5G対応を前面に押し出した(ラスベガス)=ロイター

1月に開かれた技術見本市でクアルコムは5G対応を前面に押し出した(ラスベガス)=ロイター

アップルとクアルコムは16日、スマートフォン(スマホ)向け通信半導体の知的財産を巡る訴訟で和解に達したと発表しました。そもそもこの訴訟はなぜ起きて、和解は2社にどんな結果をもたらすのでしょうか。ポイントを整理します。

【関連記事】アップルとクアルコム、知財紛争で全面和解

(1)係争は2017年から

スマホの開発には通信機能をつかさどる半導体「モデムチップ」が不可欠です。この分野で世界シェア首位のクアルコムは長年、アップルに対し独占的にこの半導体を供給してきました。一方、クアルコムはアップルに対して半導体の代金だけでなく、それに付随する特許使用料の支払いも求めていました。

ところが17年、アップルはこの使用料が「高すぎる」としてクアルコムを訴えます。返す刀でクアルコムは対抗措置としてアップルを知的財産権の侵害で訴えました。2社の関係は大幅に悪化。アップルは16年以降、モデムチップの調達先をインテルに切り替え、18年秋の新モデルからはクアルコム製の製品を排除しました。

アップル、クアルコムを提訴 「不当に高い特許料」

(2)5Gスマホ開発のネックに

係争を理由にクアルコムを調達網から締め出したアップルですが、問題が起こります。新たな高速通信規格の「5G」向けのスマホをつくる際、そこに対応できるモデムチップもクアルコムから調達できなくなってしまったのです。

アップルはインテルに5Gチップの開発を求めたとされますが、なかなか量産が進みませんでした。5G元年ともいわれる19年ですが、アップルは対応スマホを出せていません。クアルコム製品や自社チップを使うライバルの韓国サムスン電子や中国華為技術(ファーウェイ)が年内の市場投入を表明するなか、アップルはかやの外に置かれていました。

アップル、沈黙の5G戦略 中韓勢に出遅れ

(3)2社の業績に影響も

和解を受けてクアルコムの株価は一時20%以上値上がりしました。和解の詳細は明らかになっていませんが、アップルは引き続き一定程度の特許使用料を払うもようです。同社はこの日、1株利益の増額予想を発表しました。クアルコムにとってはアップルという半導体の大口供給先も確保でき、「うれしい」和解といえそうです。

一方のアップルの株価はほぼ動かず。引き続きクアルコムへの支払いが発生するうえに、5G開発の遅れの「焦り」が市場から見透かされたのかもしれません。アップルの決算は30日にありますが、この際に和解の内容や狙いがティム・クック最高経営責任者(CEO)を通じて明らかになると見られています。

グーグルとクアルコム、5Gで対アップル共闘

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報