2019年9月19日(木)

埼玉医科大、ベンチャー企業と研究新拠点

2019/4/16 21:00
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埼玉医科大学は4月1日、日高キャンパス(埼玉県日高市)にベンチャー企業などと共同で研究できる「リサーチパーク」を開いた。研究室や解析機器を貸し出すほか、大学病院が持つ臨床データを提供する。大学病院に勤務する医師は日々の診療業務で、研究時間が十分に持てないという。企業との共同研究を進めやすくし、新特許の取得などにつなげる。

リサーチパークはゲノム医学研究センタービルの5階に設ける。オフィススペース付きの実験室(約190平方メートル)を2室備え、細胞培養室や解析機器も利用できる。年600万~1000万円程度で貸し出す。

リサーチパークでは1台数千万円という高度な機器も使える(埼玉医科大学の日高キャンパス)

リサーチパークでは1台数千万円という高度な機器も使える(埼玉医科大学の日高キャンパス)

最大5つの企業が入居でき、入居期間の目安は3年間。同大学発ベンチャーで遺伝子解析などを手掛けるイミュニティリサーチ(東京・港)の入居が決定している。県内の化学系メーカーも5月に入る方向で検討中だ。

ベンチャー企業にとって最大の利点は同大付属病院が蓄積した臨床データを生かした研究ができる点だ。同大付属病院は県西部の基幹病院で、同大傘下の医療機関は計3000床を持つ。患者の同意を得た上で、治療過程で得られたデータや手術で切り取った組織などを研究に活用でき、希少疾患の仕組み解明などに役立てられる。

企業は、遺伝子情報を解析する高価な機器などが使えるほか、共同開発した研究成果の知的財産管理の支援も受けられる。同大のリサーチアドミニストレーションセンターの千本松孝明・副センター長は「大学の知財活用の実績を生かし、円滑な特許取得のためのノウハウをベンチャー企業と共有したい」と話す。

一方、大学に民間企業の資金を呼び込み、国の補助金なしでも研究を積極的に進められるようにしたい考え。大学が持つ膨大なデータを活用すれば特許の速やかな取得につながるとみる。将来的には、共同開発による特許でのロイヤルティー収入も期待できる。

欧米の病院に比べてチーム医療が十分ではない日本の医療現場では、医師でなければ担えない業務が多い。そのため、大学病院などに勤務する臨床医が臨床データを活用した研究に取り組みにくいという課題もある。

今回のようなリサーチパークは慶応義塾大学の総合医科学研究棟内にも設置されている。埼玉県内では、埼玉大学先端産業国際ラボラトリーが産官学のための研究施設を提供している。大学が持つ資産を有効活用する流れが広がりつつある。

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