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巨大ビジネス化した五輪と選手第一 東京大会日程発表

2019/4/16 17:00
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東京五輪の競技スケジュールがほぼ固まった。酷暑対策やテレビ局の要望、競技の盛り上げなどさまざまなステークホルダー(利害関係者)の思惑を反映して、早朝から深夜まで競技が分散、自国の五輪でありながら、生で観戦するのもなかなか大変だ。巨大ビジネスとなった現代の五輪におけるアスリートファースト(選手第一)の意味も改めて考えさせられる。

2011年サッカー女子ワールドカップドイツ大会決勝は現地時間夜9時前キックオフ。日本代表「なでしこジャパン」は米国をやぶり、初優勝を飾った=共同

2011年サッカー女子ワールドカップドイツ大会決勝は現地時間夜9時前キックオフ。日本代表「なでしこジャパン」は米国をやぶり、初優勝を飾った=共同

バスケットボール決勝は男女とも午前11時半から始まる。競泳決勝は午前10時半から。アジアが舞台となる五輪では珍しいことではない。大会組織委員会は「多くのステークホルダーとの調整の結果としか話せない」。背景には、巨額の放映権料を払う米NBCの意向があると想像できる。

午前11時半は米国の東海岸なら午後10時半、西海岸は午後7時半。

2014年から32年までの五輪10大会の米国向け放映権をNBCは国際オリンピック委員会(IOC)と総額約120億ドル(1兆3300億円)で独占契約している。ちなみに18年平昌と20年東京の2大会セットの日本向けは660億円。桁違いの金額である。

放映権者が莫大な投資に見合うよう、人気種目を最も稼げる時間帯に実施するように求めるのは当然だ。ネット配信の時代となり、スポーツの生中継の価値は増し続けている。

陸上でもせめぎ合いがあった。午前中にマラソン以外にも男女400メートル障害、同走り幅跳びなどの決勝を実施する。だが、花形種目の同100メートル決勝は夜の部。

陸上の一部競技の決勝を午前中に実施するのは、メイン会場の新国立競技場を午前も午後も常時満員にして大会や陸上競技を盛り上げたい組織委や国際陸連の思惑も絡む。商業化された五輪の競技日程は、テレビ局や協賛企業、各国際競技団体(IF)などさまざまなステークホルダーの要求を無視できない。

これをアスリートファーストに反すると批判することは簡単だ。午前中の競泳決勝など、選手が最高のパフォーマンスを発揮できる環境を整えたとはいえない。

一方で、アスリートファーストには別の側面もある。五輪はアスリートが輝ける最高の舞台。アスリートも世界中のより多くの人々に注目されることを望む。それは打ち込んできた競技を発展させ、自らが稼ぐことにもつながる。

IOCに流れ込むテレビ局や協賛企業からの資金は、五輪時の観客数やテレビ・ネットを通じた視聴者数などによる競技の格付けに従って各IFにも分配される。それは競技をさらに発展させ、アスリートの競技環境を改善する財源でもある。

暑さに対する選手の安全確保と観客への配慮で、男女マラソンやサッカーなどで開始時間をさらにずらした。ただ、サッカー女子の決勝は午前11時からで変わらない。

メイン会場の新国立競技場で実施される唯一のサッカーの試合だ。夜は陸上競技のため昼しか使えない事情もあるが、米国で人気の女子サッカーの存在感をさらに高め、女性スポーツの発展をアピールする意味でも最高の舞台になる。

国際サッカー連盟やIOCだけでなく、選手たちもこの場所でこの時間の試合を望むはずだ。猛暑の中の観戦は苦行となるが、選手のことを考えれば我慢するしかない。

現代の五輪アスリートの姿は、稼いではいけないアマチュアリズムが当たり前だった半世紀前とはまったく違う。アスリートファーストの意味も、その視点から捉え直す必要がある。

(編集委員 北川和徳)

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