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ウッズの偉大なる復活劇 絶妙の試合運びと戦術
編集委員 串田孝義

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2019/4/17 6:30
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2019年のマスターズは「タイガー・イズ・バック」として、1986年にジャック・ニクラウス(米国)が演じた「ジャック・イズ・バック」と、はたしてどちらが偉大な復活劇であったか、ずっと議論されていく試合となるだろう。

この大会を目が離せない好試合にしたのは、マラソンでいえばトラックに入るまで大先頭集団が形成され、それぞれが一発勝負をかけて飛び出しかけるが、抜け出せずのデッドヒートを演じたからだ。世界のトップゴルファーの力が極めて拮抗した状態にあることの証左といえる。

マスターズ・トーナメントで11年ぶりのメジャー制覇を果たし、ガッツポーズするタイガー・ウッズ=共同

マスターズ・トーナメントで11年ぶりのメジャー制覇を果たし、ガッツポーズするタイガー・ウッズ=共同

タイガー・ウッズ(米国)自身が認めている。「たくさんの選手に勝つチャンスがあり、全く違うシナリオになる可能性だってあった」。それでもこの人はこのプレッシャーを愛してやまない。「ゴルフを始めてからずっとプレッシャーは感じている。それを感じないときがあるとしたら、それはゴルフをやめるときだ」

最終日、15番パー5でバーディーを奪い、ウッズは今大会初めて単独首位に立った。そして続く16番パー3、ピン右奥から傾斜を利用してゆっくりと戻したボールはピンをかすめ、ホールインワンかと思わせる快打。バーディーをたたみかけて、集団を一気に抜け出した。マラソンにたとえるなら、最後のトラックで一歩でも前に出て勝つ、かつての瀬古利彦の必勝パターンと似ている。

集団で息を潜め、勝負どころで前へ

16番のティーショットを放ったウッズは「カモーン」と何度も叫ぶ。池越えの16番ホールは、巨大ゴルフスタジアムといえるオーガスタの敷地内で最も低い場所にあり、ここで上がる大歓声はコース全体に地響きのように伝わる。

最終日、16番でティーショットを放つウッズ=ロイター

最終日、16番でティーショットを放つウッズ=ロイター

2度目のマスターズ出場で、13番パー5のバーディーで一時首位に浮上したザンダー・シャウフェレ(米国)は「僕は歴史を目撃した。アーメンコーナーや15、16番でタイガーが大歓声を巻き起こしているのを聞きながらプレーするのは本当にクールだったよ」と感動の最終日を振り返る。

昨年の全英を制した試合巧者のフランチェスコ・モリナリ(イタリア)は試合の大半を支配したが、12番パー3のティーショットがグリーン手前のレイズクリークにつかまりダブルボギー。15番でも3打目をウオーターハザードに入れてダブルボギーと崩れた。

15番の第3打はボールが枝にかすったせいだが、モリナリは、バーディーを欲しがってピンを狙いにいきすぎた判断ミスを悔やむ。「あそこではグリーン中央を狙い、上がり3ホールで何か起こそうとすべきだった」

集団で息を潜め、勝負どころで飛び出す戦いのうまさは昨年の全英最終日、大注目のウッズと同組でプレーして優勝したことで証明している。今回のマスターズでは、ウッズがモリナリの戦術を学び、取り入れたフシもある。

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