2019年8月21日(水)

アップル対クアルコム 特許料訴訟の審理始まる

2019/4/16 10:00
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【シリコンバレー=白石武志】スマートフォン(スマホ)向け通信半導体の特許使用料を巡り、米アップルが米半導体大手クアルコムに起こした訴訟の審理が15日始まった。アップル側は使用料の請求額が不当に高いとして、約270億ドル(約3兆円)の損害賠償を求めている。無線通信技術の開発をけん引してきたクアルコムとの法廷闘争は「iPhone」の製品戦略に影を落としている。

法廷闘争は「iPhone」の製品計画に影を落としている

裁判は米カリフォルニア州サンディエゴの連邦地裁で始まった。2017年以降、米国内外で繰り広げられている両社の訴訟合戦の中で、最も早くに提起されたものだ。

主な争点は、クアルコムが持つスマホ関連特許の対価の妥当性だ。アップルはクアルコムが特許使用料を過大に請求しており、同社製チップを搭載したスマホの価格が高止まりする要因になっていると主張している。

アップルは訴訟を起こすとともに、自社のサプライヤーに対し、クアルコムに特許使用料を払わないよう指示してきた。

クアルコムはアップルに対抗し、米国内外で同社に知的財産侵害の訴えを起こしている。19年3月に米国際貿易委員会(ITC)の判事が、クアルコムの主張の一部を認定し、アップルの一部製品の米国への輸入を禁じるよう勧告した。両社の争いはもつれる一方だ。

アップルは通信半導体から省電力の技術まで幅広いスマホ関連特許を保有するクアルコムとの係争によって、ビジネス上の影響を招いている。アップルは18年秋に発売したiPhoneの最新モデルでクアルコムを外し、米インテルから調達している。

さらに、次世代の高速通信規格「5G」戦略に響いている。5G対応の半導体開発で先行するクアルコムから製品供給を受けている韓国、中国のスマホメーカーは5G端末を発表した。だが、クアルコムに頼れないアップルは現在も、iPhoneの5G対応時期を明らかにしていない。他の半導体メーカーからの調達や自社開発を検討しているとされる。

知財紛争はクアルコムにも痛手となる。iPhoneの最新モデルから外れたことなどで同社の18年10~12月期決算は2割減収となった。

米メディアによると、サンディエゴの連邦地裁での審理は4~5週間かけて続く見込み。アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)らも法廷で証言すると見込まれている。15日の審理は陪審員の選定手続きなどで終わった。同日の米株式市場でアップル株は0.2%高、クアルコム株は0.4%高と小幅に上昇して取引を終えた。

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