来れ立候補者 担い手確保に苦心 兼業OK、夜間・休日開催…

2019/4/16 8:00
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統一地方選で16日告示の町村議会選。全国各地の小規模町村を中心に地方議員のなり手不足が深刻化している。高知県大川村では議員との兼業をしやすくする条例を制定。報酬の引き上げや議会の夜間・休日開催など、各地の自治体は人材確保に知恵を絞る。こうした取り組みは、人口減に伴う高齢化で議会の存続が危ぶまれる地方議会の現状を映し出している。

議員のなり手不足に悩む高知・大川村

 高知県大川村の村議選立候補届け出会場(16日午前)=共同

議員のなり手不足から、村議会に代わる「村総会」設置を一時検討した高知県大川村では同日、村議選が告示され、8年ぶりに選挙戦となった。今年3月、議会を維持するための一手として、村議の兼業制限の対象にならない企業や団体を明示する条例を制定したことが、なり手不足解消に一役買ったようだ。

地方自治法は、自治体と請負関係がある団体や法人の役員らが、地方議員を兼業することを禁止している。どんな仕事が議員と兼業できないのか分かりにくさも。役場と何らかの関係がある職場が多い大川村では、立候補の障壁になっていたという。

新条例では、関係者が立候補しても支障のない法人や団体名を村長が年度ごとに公表する。16日告示の村議会選は請負比率の低い森林組合など3団体が兼業可とされた。

大川村は鉱山の閉山とダム建設による中心集落の水没で、人口がピーク時の1割程度の約400人まで減少。議員定数もどんどん減った。住民の男性は「住民が議員の政策を判断、評価するには選挙が必要。条例の制定はそのための大きな一歩になった」と評価する。

小規模町村に共通するのは、少子高齢化や人口減少の影響で、議員のなり手不足が一層、深刻化することへの危機感だ。議員のなり手が減れば、生活サービスなど市民にとって最も身近なテーマを議論する機会が失われる恐れがある。このため、議員活動をしやすい環境づくりに取り組む自治体も少なくない。

北海道浦幌町議会は2015年の統一地方選で定数割れ。今回の選挙で当選した議員から、月額報酬を21%増やし21万2千円とする。議会定例会や委員会だけでなく、地域の行事への参加なども考慮して町議の実働日を年110日と算出。町長の3分の1と見なし、報酬も町長の3分の1とした。

長野県喬木村議会は17年6月の議会選が無投票となり、同12月から「夜間休日議会」を一部導入。本会議の一般質問を土日にし、常任委員会を平日午後7~9時に開いた。鞍馬淳議会事務局長は「自営業や農業従事者が兼業で議会活動できるような環境が必要だった」と話す。

もっとも、議員のなり手不足への打開策はなく、地方議会存続への模索を続けるのが現状だ。

これまでの統一選では無投票当選が相次ぐ。総務省によると、7日に投開票された道府県議選では、総定数2277人に対して計3062人が届け出た。うち612人が無投票で当選。総定数の26.9%を占め過去最高となった。前回15年の統一選の町村議選では21.8%、11年は20.2%が無投票当選となっており、今回も動向が注目される。

立教大の外山公美教授(行政学)は「なり手不足を解決するには、若年層に議会に関心を持ってもらうことも重要。学校現場や家庭教育で、選挙や地方議会の大切さを教える仕組みも求められる」としている。

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