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トライアル、AIカメラ独自生産 購買分析し販促

ディスカウント店大手のトライアルホールディングス(HD、福岡市)は15日、来店客の購買行動を分析し、販促につなげる人工知能(AI)カメラを独自開発すると発表した。客の性別や購入商品を自動で判別し、最適な商品広告を店内のデジタルサイネージ画面に表示する。まず19日に新装開店する福岡県新宮町の店舗に1500台導入。小売り他社への販売を目指す。

AIカメラを開発するリテールAI(東京・港)をこのほど設立した。家電メーカー出身者など国内で50人、中国で300人の技術者を採用。トライアルはIT(情報技術)を活用して自動化を進めた店舗を増やしており、開発したカメラを新宮店などに順次導入する。

新型カメラはAIを搭載し、買い物客の性別やカートの有無に合わせて店内に設置されたディスプレーの広告を自動で変える。買いたい物を決めずに訪れた顧客にもセール品などを表示できる。

例えば飲料コーナーでカートを使っている客にケース販売、買い物カゴを持った客に6缶パックを勧めたりできる。

画素数はスマートフォンなどと並ぶ1300万画素あり、商品棚に並ぶ個別の商品を識別し在庫切れを店員に知らせることも可能だ。

カメラは中国・深圳市で生産する。新宮店に導入するため、まず2000台を製造した。価格は1台1万5千円ほどで、今後、量産体制が整い次第、1万円弱にまで価格を引き下げる。

リテールAIの永田洋幸社長は「2020年2月までに3万台を製造したい」と話した。小売り他社にも販売する。

トライアルHDは18年2月に開店したアイランドシティ店(福岡市)を皮切りに、ITやAIを駆使して省人化を進めた「スマートストア」をこれまで12店開業している。新宮店は店舗面積1万1880平方メートルと、これまでの店舗に比べて規模が大きい。

トライアルHDは新宮店での導入効果を検証しつつ、独自開発したAIカメラを省人化を進めたいスーパーなど小売店に販売する計画だ。現在食品など海外企業を含めた数社と協議を進めており、独自AIカメラの量産体制構築を急ぐ。

メーカー・小売業界で連携

トライアルHDが人工知能(AI)カメラの独自開発・生産に乗り出す狙いについて、開発会社、リテールAIの永田洋幸社長に聞いた。

――カメラを自ら開発する理由は。

「日本の小売業は欧米や中国に比べてIT(情報技術)への対応が遅れた。AIの普及が今後不可避となるなか、小売業のAI開発の取り組みは進んでいない。だからこそ取り組む価値がある」

――開発したAIカメラの外販を計画しています。

「AIの開発で遅れると、日本の小売業界がすべて外資系企業にやられてしまう。開発したノウハウを他のメーカーや小売企業と共有する。業界を支えることが先だ」

――消費者や食品・日用品会社にとってのメリットは。

「消費者には購買データに基づいて、潜在的に欲しいものが提案できる。レジに並ぶ必要もない。カメラについては小売業より食品会社などの関心が高い。AIカメラを店舗に設置し、来店客に適切な商品を勧めたことで、ある食品のシェアが増えた例もある。現在、外資系企業を含めて数社と協議を進めている」

――今後の目標は。

「大きな目標は小売りのデジタル化だ。将来は無人店舗が一つのメディアとして、商品の提案ができる環境をつくる。カメラの生産台数は2019年度中に3万台を目指す。グループ全体では、早ければ20年中に福岡県と佐賀県の全店を『スマートストア』化する」(聞き手は荒木望)

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