中国最大の貿易商談会開幕 米中摩擦、影落とす

2019/4/15 17:54
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【広州=比奈田悠佑】中国最大の貿易商談会「中国輸出入商品交易会(広州交易会)」が15日、広東省広州市で開幕した。世界から200カ国、20万人の仕入れ業者(バイヤー)が集まる同会の会期中に結ばれる契約額は貿易動向の先行指標となる。米国との貿易戦争の影響ですでに米向け輸出は減少しており、他市場の開拓を掲げる参加者が目立った。

広州交易会には世界からバイヤーなど20万人が参加する(15日、広州市)

会場では開場直後からバイヤーを呼び込むメーカー担当者の声が響いた。中国東部、山東省の大手タイヤメーカーの担当者は「とにかく販売先の多角化を急いでいる。東南アジア、中東、アフリカ、米国以外全てが開拓の対象だ」と語る。米国売上高が全体の70%を占める同社の製品はトランプ米政権が18年にかけた追加関税の対象になり、昨年秋以降に米国向け売り上げが90%減少した。

浙江省の金属・プラスチック成型機メーカーも製品が追加関税の対象になった。担当者は「米国に大きく依存していたわけではないが、貿易戦争で米国からの受注は一切なくなった。東南アジアや南米向けで穴埋めする」と話す。

湖北省の板金機械メーカーは「今は中国製品ということで避けられている」と指摘する。同社は米国向けを米国内の工場で生産し、追加関税の影響を回避したものの、「国家間の対立が長引くのは困る」と話す。

菓子の包装機械などを物色していた米国の専門商社のバイヤーは「費用と性能の良さを考えれば、取引を続ける価値のある中国メーカーはある」と評価する。「関税分を痛み分けしようという中国企業は今のところ少ない」とも指摘しており、米国市場向けを他国に振り替えようとする中国メーカーが多いもようだ。

広州交易会は春と秋で毎年2回開催している。主な出展企業は中国の産業機械や部品、日用品メーカーなどで、今回は昨年春比で1%増の2万5496社が参加する。例年、米国バイヤーの参加数は香港に次ぐ規模で2位を占める。開幕に先立ち14日に記者会見した中国対外貿易センターの徐兵・副主任は「保護主義の台頭で中国の貿易環境は複雑で険しくなっている」と指摘した。

輸出が伸び悩む一方、交易会では今回から輸入拡大に向け新たな取り組みを試みる。広東省や香港、マカオで形成する「大湾区」と外国の政府関係者を引き合わせるイベントを開く。中国政府は産業育成やインフラ整備で大湾区が発展すれば海外製品の購買力も高まるとしている。習近平(シー・ジンピン)指導部は米国との摩擦緩和を狙い市場開放の姿勢もアピールしている。

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