鴻海の郭董事長に辞任観測 ロイター報道、会社側は否定
【台北=伊原健作】ロイター通信は15日、電子機器の受託製造サービス(EMS)世界最大手、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘(テリー・ゴウ)氏が同日、経営トップの董事長から数カ月以内に退任する意向を明らかにしたと報じた。ただ、鴻海の広報担当者は日本経済新聞の取材に対し「(郭氏は)退任するとは言っていない」と否定した。さらに「(郭氏は)将来、経営の世代交代を進めると語っただけだ」と話した。

ロイター通信によると、郭氏が台北市内で同日開かれたイベントで、数カ月以内の取締役会の場で退任について議論することを示唆した。ただ同氏は「経営には引き続き携わる」と述べたという。これに対し、会社側は「郭氏は将来は第一線から退き、若手に経験やノウハウを伝えたいと述べたが、数カ月以内に退任するなどとは発言していない」と語った。
一部の台湾メディアは最近、郭氏が2020年1月に実施する台湾の次期総統選に出馬する可能性があるなどと報じていた。