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桜や新緑はこれからが本番 青森3温泉巡りで春を満喫

NIKKEI STYLE

日本最古のソメイヨシノをはじめ樹齢100年超えの桜が数多く咲く青森の弘前公園。日本の三大桜の名所の一つで弘前城の濠(ごう)を桜の花びらが埋め尽くす「花筏(はないかだ)」が有名だ。2019年のさくらまつりは4月20日(土)~5月6日(月)で、桜の見ごろはこれから。ようやく春を迎えた青森で、個性のある温泉3施設を電車や送迎バスを利用して上手に回る春満喫の旅をご紹介する。

弘前城の桜を楽しんだあとは伝統工芸に触れる

まず最初は、弘前城の桜や洋館などを楽しんで、弘前から電車で約15分の大鰐温泉駅からは送迎バスで約5分で着く「星野リゾート 界 津軽」。19年4月1日にリニューアルオープンしたばかり。「津軽こぎん刺し」はじめ津軽の伝統工芸に触れ、毎夜津軽三味線の演奏が楽しめる温泉旅館だ。

ここでは、旅館中で津軽をいろいろ感じることができる。客室は全室、津軽伝統の刺し子「こぎん」の アーティスト山端家昌氏プロデュースのこぎんモチーフがしゃれた「津軽こぎんの間」。また弱アリカリ性の美肌の湯といわれる温泉には、津軽名物のリンゴや青森ヒバでできたリンゴが浮かんでよい香りが漂う。

食事には、有名な大間のマグロをはじめ津軽の食材がふんだんに使われている。夕食後には、津軽三味線の迫力の演奏を聞いた後、滞在客が体験する時間も。

津軽文化を五感で満喫した次は、奥入瀬の自然を味わいに。大鰐温泉から特急つがるで約40分の新青森駅へ行き、そこからは約1時間30分かかるが無料の送迎バスで青森県十和田市にある「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」へ。

奥入瀬のコケと清流に触れることができる温泉宿

緑のコケに覆われた大地と深い森の間を流れる清流。特別景勝かつ天然記念物という奥入瀬渓流は、手つかずの自然に触れることのできる場所だ。冬には滝も凍る奥入瀬に5月に入ると緑が戻ってきはじめ、半ばごろには若葉が映えるようになる。

「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」は、奥入瀬渓流沿いに建つ唯一のホテルだ。最近リノベーションした明るいエントランスを通って中に入っていくと、奥入瀬を愛した岡本太郎の大きな作品が飾られた「ロビー 森の神話」がある。全面ガラスで奥入瀬の緑に包まれたような気分になる。

温泉は、館内に渓流を望む絶景露天風呂と内湯、そして外湯として九重の滝を望む混浴露天風呂(入浴用着衣の貸し出しあり)と、いずれも自然に囲まれた温泉だ。カジュアルなビュッフェスタイルのレストラン「青森りんごキッチン」では、青森名産のリンゴを使ったメニューの数々やホタテの貝焼きやサケの親子丼など新鮮な魚介も満喫できる。

「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」は、自然を楽しむアクティビティーが充実している。新緑の奥入瀬を2時間20分かけてネイチャーガイドと歩けば、コケをはじめ自然が織りなす不思議や興味深い話を聞ける(有料プログラム)。19年5月7日からは、コケのアメニティーが部屋を飾る「苔ルーム」にステイして、ルーペ片手にコケの観察をしながらの散歩やコケ玉づくりがパッケージになった「苔ガールステイ」も始まる。

奥入瀬で青森の自然を満喫した後は、青森の郷土の祭り「ねぶた」を年中体験できるという宿「星野リゾート 青森屋」へ。無料送迎バスで約60分の距離だ。

まるでテーマパークのようなにぎわいを楽しむ宿

青森県三沢市にある「星野リゾート 青森屋」は、ねぶたをはじめ青森文化を年中楽しめるテーマパークのような温泉宿。ねぶたは、勇壮な武者絵が描かれた山車灯籠や掛け声とともに跳ねるように踊るハネトが有名な青森の各地で開かれる夏祭りである。

「星野リゾート 青森屋」では、館内に昭和レトロな雰囲気の中、山車が飾られおはやしが聞こえて来る「じゃわめぐ広場」が広がる。本格的な津軽三味線からスコップ三味線の演奏まで入ったユニークな「じゃわめぐショー」が毎晩無料で開催されて盛り上がる。また、ねぶたはじめ青森四大まつりのショーを見ながら食事が楽しめるレストランやビュッフェレストランともに青森の郷土料理が堪能できる。

温泉は、湯が池に浮かぶような露天風呂「浮湯」や青森ヒバの香りが漂う内湯「ひば湯」など柔らかで肌に優しい泉質の湯でくつろげる。

19年4月10日には青森ねぶた祭をテーマにした客室「青森ねぶたの間」もできて、ますますねぶたにどっぷりとつかれる宿になった。

東北青森のちょっと遅い春はこれから。無料の送迎や津軽の名所を回れる「津軽フリーパス(2日間乗り放題おとな2060円こども1030円)」を上手に使って伝統工芸、自然、祭りと温泉が満喫できる青森春旅を楽しんでは。

小野アムスデン道子
世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、フリーランスに。東京と米国・ポートランドのデュアルライフを送りながら、旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、プロデュース多数。日本旅行作家協会会員。

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