2019年8月25日(日)

福島第1原発の核燃料取り出し 炉心溶融機で初

2019/4/15 8:55
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東京電力は15日、福島第1原子力発電所3号機で、使用済み核燃料プールからの燃料の取り出しを始めた。炉心溶融(メルトダウン)を起こした1~3号機では初めて。プール周辺は放射線量が高いため、遠隔操作で約2年かけて取り出す。当初計画から4年以上遅れて動き出すが、初めての作業で難航も予想される。

がれきが散乱する中、慎重に燃料の取り出しを開始した(3号機の使用済み燃料プールでの作業)

がれきが散乱する中、慎重に燃料の取り出しを開始した(3号機の使用済み燃料プールでの作業)

使用済み核燃料の取り出しは、廃炉への重要な工程の一つ。政府の廃炉の工程表では、プールからの燃料搬出と並行して2021年に原子炉内で溶け落ちた核燃料の取り出しを始める。今回の作業が遅れれば全体に影響する。

使用済み核燃料は熱と強い放射線を長期間出し続ける。冷却と放射線を遮るためにプールで水の中に入れている。再び大きな地震が起きて設備が損傷する恐れなどから、取り出す必要がある。

3号機の使用済み核燃料が入ったプールは、炉心溶融と水素爆発を起こした原子炉建屋の上部にある。3号機のプール内には未使用の燃料52体と使用済み燃料514体の計566体が入っている。まずは使用済み燃料より放射線量が低い未使用の燃料から移動させる。

作業では、燃料を取り扱う機械を遠隔操作し、プールの中で核燃料を7体ずつ輸送容器に入れる。次に原子炉建屋の上に取り付けた専用のクレーンを使って、この輸送容器をトレーラーに積み込む。原発敷地内に作った共用のプールに運んで仮置きする。20年度中の完了を目指す。

15日は、1体あたり2時間半ほどかけて3~4体をプールの中で慎重に輸送容器に移す。燃料1体あたりの重さは約250キログラムで、輸送容器の重さは燃料を7体入れた状態で50トン弱になる。

3号機は11年の事故時の水素爆発で原子炉建屋の屋根などが吹き飛んだ。15年11月に建屋の上にあるがれきの撤去が完了し、18年2月に安全に燃料を取り出すためのドーム型の屋根とクレーンの設置が完了した。

装置を遠隔操作して3号機のプールから燃料の取り出しを始めた

装置を遠隔操作して3号機のプールから燃料の取り出しを始めた

事故後に最初に作った廃炉の工程表では、14年末に燃料の取り出しを始める予定だった。17年の改訂では18年度開始を目指すとしたが、機器のトラブルなどが重なって19年度にずれ込んだ。ようやく始まったものの、目標の20年度完了に向けて、順調に作業を進められるかは不透明だ。

福島第1原発は東日本大震災に伴う津波の影響で6基のうち、1~4号機で事故が起きた。炉心溶融が起きなかった4号機では14年12月に全1535体の燃料取り出しが終わっている。1、2号機は23年度の開始を予定している。東電は3号機の燃料取り出しで得た知見を生かす方針だ。

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