2019年4月20日(土)

新在留資格、フィリピンで初の試験 介護分野対象

東南アジア
2019/4/14 18:07
保存
共有
印刷
その他

【マニラ=遠藤淳】外国人就労を拡大するため、日本が創設した新在留資格「特定技能」の初の試験が13、14日、フィリピンの首都マニラのアテネオ大学で行われた。介護業が対象で、受験の受け付けが始まった3月20日に定員の125人に達し、関心の高さをうかがわせた。合格者は夏ごろにも来日する見通しだ。

14日も朝から20代前半とみられる若い受験者らが会場近くに集まり、参考書などに目を通していた。試験はパソコンを使い、介護の基本などを問う全45問、介護に関する日本語能力を測る全15問に答える。試験時間は計90分。ほかに業種共通の日本語試験も受ける。結果は1カ月後をめどに受験者にメールで通知し、ウェブサイトにも掲載する予定。

「特定技能」を得るための試験が実施されたフィリピン・マニラの大学(13日)=共同

「特定技能」を得るための試験が実施されたフィリピン・マニラの大学(13日)=共同

受験者の性別の内訳は男性が43人、女性が82人。受け付け開始日に定員に達したことから、政府は当面の試験日程を急きょ増やした。5月下旬から6月下旬にかけて試験を3回実施し、定員は計745人程度とする予定だ。フィリピンはおよそ1000万人が海外で働く出稼ぎ大国で、新たな行き先として日本の人気が高まりそうだ。

政府は1日、出入国管理法を改正し、人手不足が深刻な14業種で外国人労働者の就労を認める特定技能を導入した。技能と日本語の試験に合格するなどの条件を満たすことで、通算5年間在留可能なビザを発給する。5年間で最大約34万5千人の受け入れを見込む。外国人材の活用で労働力不足の緩和につなげたい考えだ。

試験はフィリピンを皮切りにネパールやミャンマーなど他の受け入れ対象の8カ国でも実施し、業種も農業や外食などに順次拡大する方針。14日は日本に滞在する外国人向けに東京など国内7カ所で宿泊業を対象に試験が行われた。

ただ、送り出し国の対応が順調に進んでいるとは言い難い。フィリピンでは14日、地場の人材仲介会社の担当者は「受験受け付けが始まったことが周知されず、申し込みすらできなかった人材会社がたくさんある」と話した。一部の国では悪質な仲介業者をいかに排除するかを巡って日本と結ぶ協定の交渉が進んでおらず、準備に遅れもみられる。

関心も必ずしも高いとは言えない。インドネシアでは出稼ぎ労働者の多いシンガポールやマレーシア、香港などと比べ、日本に関する情報が少ない。シンガポールにいるインドネシア人家政婦は「日本には興味があるが遠い」と話す。ミャンマーでは今のところ試験の日程が具体化せず、人材会社は対応しあぐねている。

春割実施中!無料期間中の解約OK!
日経電子版が5月末まで無料!

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報