ゴーン元会長の勾留を延長、東京地裁 22日まで異例の「8日間」

2019/4/12 15:35 (2019/4/12 20:06更新)
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日産自動車元会長、カルロス・ゴーン容疑者(65)の特別背任事件で、東京地裁は12日、元会長の勾留を15日から8日間延長する決定をした。期限は22日。東京地検特捜部は10日間の延長を求めていた。特捜部の事件で延長幅が短縮されるのは異例だ。

弁護側は決定を不服として準抗告したが棄却された。弁護団はこれまであらゆる手段で捜査に対抗してきており、今後も徹底抗戦が続くとみられる。

特捜部は前回の起訴から再逮捕まで約3カ月、オマーンルートの会社法違反(特別背任)について水面下で捜査を続けていた。裁判所はこれに加え、ゴーン元会長が調べに黙秘していることも考慮。刑事訴訟法上は勾留延長は最長で10日間認められているが、特捜部が追起訴の可否を判断するには8日間で十分と厳格に判断したとみられる。

「あらゆる手段で身柄の早期解放を求める」。弁護人の弘中惇一郎弁護士はゴーン元会長が再逮捕された4日、緊急記者会見を開き、検察側の捜査を「あってはならない暴挙」と厳しく批判した。

弁護団は5日に東京地裁が10日間の勾留を認めると、すぐに準抗告。棄却され、10日には最高裁判例違反を理由に特別抗告した。フランスに出国していた妻、キャロルさんに再来日を促し、11日に地裁での証人尋問を済ませたことも、検察側に「必要な捜査が残っている」と主張させない狙いがあったとみられる。

弁護団はゴーン元会長に「黙秘」を助言。元会長は取り調べで、検事の質問に答えていないという。過去3回の逮捕時は自らの主張を展開し、調書の作成に応じていたが、対応を一変させたことになる。

現在の弁護団は刑事弁護の専門家ぞろい。捜査当局の見立てや証拠関係が明らかでない段階で不利な供述を引き出されないよう、容疑者に黙秘させる手法を多用する。「ゴーン元会長は黙秘する意思を示しており、これ以上の勾留は必要ない」と勾留延長にも反対した。

勾留のほか、弁護団が問題視するのが家宅捜索だ。4日にゴーン元会長の保釈後の住居が家宅捜索を受けた際、裁判関連のメモや、住居の玄関に設置していた監視カメラの映像データ、キャロルさんのパスポートと携帯電話も押収された。

弁護人はメモの押収について「弁護権の侵害」と猛反発。保釈中に弁護方針について弁護団とゴーン元会長が協議した内容が含まれ、手の内を探られた形となったためで、地裁に準抗告を申し立てた。キャロルさんの私物や監視カメラ映像の押収も「容疑事実と無関係。不当な圧力をかけた」と批判している。

司法手続き以外でもアピールを続ける。弁護団は9日、ゴーン元会長が再逮捕前日に撮影した声明動画を公開。ビデオの形で肉声を伝えることで、国際世論に元会長の身柄拘束の「不当性」を改めて訴えた。

動画で元会長は事件を「陰謀」と指摘した。日産と仏ルノーとの統合を巡り「数名の幹部が自分勝手な恐れを抱き、会社の価値を毀損している」と非難した。幹部の実名を挙げた部分は弁護団の判断でカットされたものの、海外メディアも報道した。

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