アウトドアのデカトロン 3百円台バッグはコスパ抜群

スポーツ&アウトドア用品店で世界一の規模を誇るデカトロン。その強さの源泉が、「パッションブランド」と呼ぶプライベートブランド(PB)商品だ。手頃な価格ながら高い機能性と洗練されたデザインで世界中のファンを魅了しているが、果たして実力はどうか。主力PBの一つで、日本でも愛用者が増えている「ケシュア」ブランドを中心に、アウトドア用品を山岳ライターの高橋庄太郎氏と徹底チェック。買いの逸品を探した。

3000円台の激安モデルから10万円台の大型ハイスペックモデルまで、非常に幅広い価格帯をそろえるテント。そのなかで高橋氏がイチ推しするのが、「フォルクラ 登山・トレッキング テント Ultralight 900-1人用」だ。1人用の小型軽量テントながら、十分な前室スペースを確保しているのが特徴。ザックなどの荷物を置けるので、寝室を広々と使える。グラウンドシートやフライシートまでセットになったオールインワンモデルながら、価格は税込みで2万円を切る。「高品質のテントポールを採用し、質感も良く、あと1万円高くても割安な水準」と、高橋氏は驚く。流行のソロキャンプに最適な逸品だ。

2人用以上のテントなら、ケシュアの代表作であるポップアップテントに注目。「ケシュア キャンプ ポップアップテント 2 SECONDS FRESH&BLACK」は、独自のポップアップ機能を備え、慣れれば数秒で展開が可能だ。2人用は1万円台前半と手頃ながら、「ベンチレーションを3カ所設けたり、結露を防ぐためにダブルウォール構造を採用したりと、快適性にも気を配っている」(高橋氏)。
登山やハイキング用のバックパックも多彩なラインアップをそろえるが、390円(税込み)の超激安バッグ「ケシュア 登山・ハイキング バックパック NH100 10L」のコスパは圧巻の一言。

背中部分やショルダーベルトのクッション性は最低限だが、短時間のハイキングやキャンプ時の周辺散策などには十分な機能性を持ち、サブバッグにうってつけだ。「アウトドア用のサブバッグは、安くても2000円程度するものがほとんど。荷物に1つ忍ばせておくと便利」(高橋氏)。同社のバックパックは基本的に10年保証が付くが、この390円バッグも例外ではない。
また、大光量ランタンや、鍋と食器類がセットになったクッキングセットなど、デザイン性と使い勝手を両立するキャンプ用の小物類も狙い目だ。
●デザイン性と使い勝手を両立、キャンプに十分な光量を確保

200ルーメンと、キャンプ場で使うのに十分な明るさを備えたLEDランタン。明るさを2段階に調節できるうえ、赤色の点灯モードも備える。「夜間に他の人を起こさずに明かりが欲しい場合などに重宝する」(高橋氏)。本体上部を回転させてモード切り替えができるなど操作性も良好。
●「3層構造」の防水ジャケット、ストレッチ性もありフィット

3層構造の生地を採用した高機能な防水ジャケット。適度にストレッチ性があり、着心地も良好だった。「耐久性は判断できないが、裏側の縫い目にも丁寧にシーリングを施すなど作りはしっかりしている」と高橋氏。ただ、フードがやや小さめで、ヘルメットをかぶる人は注意が必要。
●2人分の食器がセットに、収納性が光るキャンプ鍋


取っ手が可動式で、コンパクトに収納できるのが特徴。鍋はステンレス製のため、チタンなどを使った高価格帯のモデルに比べると重いが、ファミリーキャンプには十分。
●1000円台の激安ポール、必要十分な機能性も確保

3段階に伸縮するポール。重さは約230グラムで、折りたたみ時の長さは58cmになる。大手アウトドアメーカーの高機能品に比べて軽量性や収納性で譲るものの、価格は圧倒的に安い。「重量のバランスも良く、質感もまずまず」(高橋氏)。先端キャップが別売りである点には注意。
●フィット感良好の山岳シューズ、防水素材を使い、全天候に対応

全天候に対応した山岳ハイキング用シューズ。ラバー製のストーンガードや防水素材を使うなど、この価格帯としては機能が充実する。「耐久性の判断はできないが、足を入れた際のホールド感は良い」(高橋氏)。
●十分なクッション性を確保、ファミリーキャンプを快適化

幅140cm×長さ190cmの2人用エアーマットレス。ポンプによる空気注入式で、バルブには逆流防止の機構を備える。厚さは11cmあり、クッション性も十分だった。本体の重さは約4.2キロ。
[日経トレンディ2019年5月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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