2019年6月18日(火)

米経常赤字、拡大傾向は続く G20財相会合の論点を聞く
米コロンビア大のワインスタイン教授

経済
2019/4/12 12:18
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日本が初めて議長を務める20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議が米ワシントンで始まった。米中の貿易摩擦や世界経済の減速を避けるための方策が議題となる。デービッド・ワインスタイン・米コロンビア大教授に聞いた。

コロンビア大学教授のデービッド・ワインスタイン氏

コロンビア大学教授のデービッド・ワインスタイン氏

――米国の経常赤字が主導するかたちで、世界の経常収支の不均衡はなお高水準だ。

「1980年代には経常収支の不均衡は貿易摩擦の結果だと見なされていた。だが本質的には、米国の経常赤字は基本的に貯蓄と投資のバランスの問題だ。特にこの2年は大規模な減税により財政赤字が膨らみ、個人消費が増えた。その結果、米国全体では貯蓄が減り、経常赤字の拡大につながった。この傾向は当面続くだろう」

――トランプ米大統領は不均衡の是正に向け、関税の引き上げなど貿易交渉で対処している。

「米国の失業率は低く、生産量を増やすのは難しい。交渉の結果、米国から中国への輸出が増えたとしても、その輸出はほかの国への輸出分でまかなわれることになる。対中の貿易赤字は減るかもしれないが、世界全体でみた経常収支の不均衡の解決になるとは思えない」

――持続可能なのか。

「これまでは経常赤字は持続可能のようにみえたが、永久に続けることはできない。利上げによって個人消費などの支出を減らすか、財政赤字の減らすのは有効なはずだ。だが、増税や歳出削減、積極的な利上げは景気減速を招きかねず、政治的には難しい。政治面も踏まえると米国は有効な解決策をもっていない」

――トランプ米大統領はどう考えているのか。

「トランプ大統領がこの問題をどう考えているのか理解するのは難しい。ただ、貿易赤字が良くないと考えているのは確かなようだ」

「輸入を減らせば物価は上がってしまう。関税が高くなると、世界の供給網も再編成される。不確実性は増し、企業が海外展開を強めるうえでも費用が読みづらくなる。米国、中国、日本にとっても投資に負の影響が起こりやすくなってしまう」

(聞き手はニューヨーク=後藤達也)

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