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道内地銀が「銀証連携」に本腰、手数料収入で補う

北海道の地銀2行が証券部門を強化している。北洋銀行は子会社化した地場証券のノウハウを活用する共同店舗を札幌市に初出店し、道内全域に広げる構え。北海道銀行も道外の大手証券と共同出資で証券会社を設立し、富裕層を開拓する。貸し出し部門の収益力低下を手数料ビジネスで補う狙いで、地場の金融機関の営業力と信用を強みに大手証券に対抗する。

銀行の顧客を証券に誘導する(1日、北洋証券の豊平支店)

北洋銀は1日、札幌市豊平区に同行初の本格的な共同店舗を出店した。銀行に来店した顧客のニーズを聞き取り、証券投資の要望があれば証券会社の窓口に引き継ぐ。銀行では扱わない個別企業の株式や、値動きの出やすい投資信託などを従来より広く提案できる。

北洋銀は2018年に地場の上光証券(札幌市)を子会社化し、1日に社名も北洋証券と改めて再スタートを切った。証券会社の顧客を銀行に紹介する逆のケースも想定しており、投資マインドの高い富裕層や経営者の相続や事業承継の相談に専門家が応じる。

北洋銀は店舗の共同化に積極的だ。15日には旭川市内で2店舗目を出店する。北洋銀の安田光春頭取は「スペースの問題はあるが、最終的に道内の主要な支店全てを証券と一緒にしたい」と意欲を見せる。顧客との接点を広げながら富裕層だけでなく中間層も開拓する。3年目に黒字化し、5年目に8億円の利益を出す目標を掲げている。

銀証連携で先行するのは北海道銀。16年に親会社のほくほくフィナンシャルグループ東海東京フィナンシャル・ホールディングスと共同出資で、ほくほくTT証券を設立。銀行に併設する形で出店し、証券や保険商品と併せて顧客を囲い込む戦略だ。証券単独の預かり資産残高は19年3月末で前年同期から2割増え、1600億円を超える見通しだ。

ただ道銀の営業は外周りが中心で、店舗内営業を想定する北洋銀とは一線を画す。「電話営業で済むことも多い。証券の店舗をどんどん増やす考えはない」(ほくほくTT証券の井上直基執行役員)。担当者が証券マンと一緒に顧客を訪問して証券口座の開設を提案。道内全域を約20人の証券担当者でカバーする。札幌から根室まで出張することもある。

共同出資で証券会社を設立することによって幅広い商品を初めから扱えるメリットがあり、ほくほくTT証券は「立ち上げから1年程度で黒字化できた」(井上執行役員)という。

金融機関が証券部門を強化する背景には、マイナス金利の長期化で貸し出しの収益力が低下していることがある。北海道は全国と比べて株式や投資信託の保有比率が低く、開拓余地は大きい。

とはいえ体力に勝る大手証券や手数料の安いネット証券に対抗するには、従来から培ってきた顧客ネットワークを生かして地道に信頼を築く努力が欠かせない。北洋証券の伊藤博公社長は「営業担当者の評価軸を手数料から、顧客の資産をどれだけ増やしたかに移している」と話し、販売員に意識改革を促している。

(向野崚)

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