2019年6月17日(月)

障害年金打ち切りは違法 1型糖尿病、患者側勝訴

2019/4/11 20:24
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血糖値を下げるインスリンが体内で分泌されなくなる「1型糖尿病」の患者9人が、症状が改善していないのに障害基礎年金を打ち切られたのは不当だとして国に処分取り消しを求めた訴訟の判決が11日、大阪地裁であった。三輪方大裁判長は「処分の詳しい理由を明らかにしていない国の対応は違法だ」として処分を取り消した。

厚生労働省年金局給付事業室は「控訴するかどうかは関係機関と協議して判断する。判決を踏まえ、障害基礎年金の受給者への通知を分かりやすくできるよう検討する」とのコメントを出した。

三輪裁判長は判決理由で、障害基礎年金の受給権者は支給を前提に生活設計を立てており「支給停止は生活の安定を損なわせる重大な不利益処分だ」と指摘。打ち切る場合は症状や日常生活の状況を踏まえて理由を明示すべきなのに、原告らへの処分通知書には障害の程度が支給対象に該当しないとする結論しか記されていないとして「行政手続法が定める理由提示義務に違反する」と判断した。

判決によると、原告は大阪、奈良、福島在住の27~50歳の男女9人。いずれも未成年で発症し、成人後に障害等級2級と認定されて年間約80万~100万円を受給していた。2009年に1人、16年に8人が厚労省から支給停止処分を受けた。

弁護団によると、16年に原告らを含む近畿の患者34人が「障害等級2級に該当しない」と記載された通知書を送付され、年金の支給が打ち切られたという。同種の訴訟は東京都の女性患者1人も18年7月、東京地裁に起こしている。

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