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「米国株式長期厳選」がじわり人気(話題の投信)

2019/4/15 12:00
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農林中金<パートナーズ>米国株式長期厳選ファンド」の人気がじわりと高まっている。純資産総額が10億円程度の小規模な投資信託だが、今年1月に発表された「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018」では、初登場で19位にランクイン。アクティブ(積極運用)型で3位に食い込んだ。長期投資を前提としたファンドとして注目を集めつつある。

投資対象は厳選した米国の株式。銘柄選びを助言するのは、農林中金バリューインベストメンツ(NVIC)の奥野一成最高投資責任者(CIO)が率いるチームだ。運用哲学は「売らない会社しか買わない」。奥野氏は「株式投資はその企業のオーナーになるということ。いい企業の株式を持ち続けるだけでいい」と言い切る。

米国の株式相場はリーマン・ショックなどによる暴落に何度か見舞われながらも、S&P500種株価指数は2018年末までの過去30年で約9倍になった。これに対して日本の東証株価指数(TOPIX)は3割以上も値下がりした。両者の差は歴然だ。

有望な米国企業の中から、2月末時点で組み入れているのは25銘柄。投資先を選ぶ上で重視するポイントは(1)高付加価値(その産業になくてはならないビジネスかどうか)(2)競争優位(参入障壁が高く、その分野で圧倒的地位にあるかどうか)(3)長期的な成長(世界の人口動態や潮流などから見て成長が続く可能性が高いかどうか)――の3つだ。

日本にいながら米国にある投資先企業の情報収集を続けるのは困難に見えるが、奥野氏のチームは2カ月に1度のペースで渡米。年間70~80社にのぼる企業を訪問し、経営者との面談や現地の工場視察を重ねている。海外株式に投資する国内公募投信は、運用を現地の会社に委託するケースがほとんど。現地調査まで自前ですべてまかなうファンドは極めて珍しい。

足で稼いだ現地の情報は、投資家向けの情報発信にも生きる。投信ブロガーから「面白い」と評判なのが月次リポートの運用コメントだ。投資先企業の事業内容や競争環境、長期の成長性などについて詳しい分析がつづられている。運用報告会などでのプレゼンも含め、日本語での丁寧な説明は、このファンドで米国株式への長期投資に取り組む日本の投資家の安心感につながっている。

ファンドの公募開始は17年7月。もともと私募で15年から運用していたファンドを個人投資家にも販売し始めた。投資先のマザーファンドは設定来のリターン(税引き後、分配金再投資ベース)が3月末時点で39.7%と、円換算したS&P500種株価指数(税引き後、配当込み)の27.7%を上回る。一方、値動きの大きさを示すリスク(年率標準偏差、設定来)は17.1%と、S&P500の18.5%より小さい。厳選した銘柄への集中投資で堅調な運用実績を上げている。

投資家が負担する実質信託報酬は年0.972%(税込み)。主に長期の投資家を対象にした投信とあって、先進国株式で運用するアクティブ型の中央値(1.7928%、2月末時点でQUICKが集計)と比べて安く抑えられている。

販売方法も独特だ。この4月から投信を扱う全国のJAバンクで販売が始まり、投資家は一括購入ができるようになった。それ以外は、みずほ銀行が運営管理機関としてJAバンクに委託して販売している個人型確定拠出年金(イデコ)のプランのほか、SBI証券と岡三証券でイデコと積立投資向けにしか取り扱っていない。

「日本人はもっと長期投資をすべきだ」というのが奥野氏の主張。短期売買でもうけようとする一般的な株式投資のイメージとは真逆をいく長期投資向けファンドの登場は、個人の資産運用に一石を投じることになりそうだ。

(QUICK資産運用研究所 望月瑞希)

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