2019年6月20日(木)

国交省側の圧力認定 国に賠償命令、東京高裁

2019/4/11 11:54
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東京湾に残る大正時代の海上要塞「海堡(かいほう)」の保存を国に要望したため、国土交通省側から圧力を受けたとして、千葉県柏市の建設コンサルタント会社元社長、島崎武雄さん(81)が国家賠償を求めた訴訟の控訴審判決が10日、東京高裁であった。高裁は圧力を認め、一審・東京地裁判決を変更し、国に約530万円の支払いを命じた。

野山宏裁判長は「民間企業の経営に対する法令に基づかない介入」と指摘。憲法が保障する官庁や議会への「請願権」を無視したもので違法だと結論付けた。国交省は「判決内容を精査し対応を検討する」としている。

判決によると、島崎さんは、大正時代に完成するなどした首都防衛のための海堡の保存を目指す団体の事務局長を務めていた。2010年7月、関東地方整備局の東京湾口航路事務所が工事で海堡の一部を壊したと報じられ、団体は現地視察などを求める要望書を同事務所に提出した。

会社は、国交省発注の業務も受注。整備局の担当者は翌月、島崎さんの部下に「島崎の辞表を持ってこい」と話し、本人が会社を辞めない限り業務を発注しないと威嚇。既に社長を退いていた島崎さんは10年9月に取締役も辞任した。

一審判決は、島崎さんが提訴した15年10月時点で損害賠償請求権の消滅時効(3年)を経過していたと判断し、請求を棄却。一方、野山裁判長は「取締役を辞任した時点では、誰の判断で圧力をかけたかは具体的に分かっていなかった」とし、時効の成立を認めなかった。〔共同〕

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