桜田氏辞任 野党、予算委開催を要求 首相「気を引き締める」
安倍晋三首相は11日午前、東日本大震災の被災地への配慮を欠く発言で桜田義孝五輪相が辞表を提出したことに関し「内閣全員が一層身を引き締めていかないといけない。信頼を回復していく」と語った。首相官邸で記者団に答えた。野党は首相の任命責任を追及する構えで、衆参両院で予算委員会の集中審議を開くよう与党に求めた。

首相は後任に鈴木俊一前五輪相を再起用すると正式に表明した。「信頼を回復して五輪・パラリンピックを成功に導いていきたい。復興に内閣一丸で全力であたる」と強調した。この後、鈴木氏と会談し正式に要請した。鈴木氏は午後に皇居での認証式を経て正式に就任する見通しだ。
立憲民主党など野党5党派の国会対策委員長は11日午前、国会内で会談し、衆参両院で予算委集中審議を求める方針で一致した。終了後、立民の辻元清美国対委員長が自民党の森山裕国対委員長に要請した。与党でも、公明党の山口那津男代表が11日午前の中央幹事会で「発言は到底許されない。怒りを禁じ得ない」と苦言を呈した。

桜田氏は10日夜、都内で開かれた自民党の高橋比奈子衆院議員のパーティーで「復興以上に大事なのは高橋さんだ」と述べた。復興軽視の発言だと受け止められ、その約2時間後に首相に辞表を提出した。安倍政権では、国土交通副大臣だった塚田一郎参院議員が、道路整備をめぐり首相らの意向を「忖度(そんたく)」したと述べた責任を取って5日に辞任した。