2019年5月26日(日)

悪質サークルにご注意 新歓シーズン、SNSで勧誘も

2019/4/11 11:19
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大学の入学シーズンとなり、学生サークルの新入生歓迎イベントなどが開かれているが、高額な現金を請求する悪質な団体もあり、注意が必要だ。交流サイト(SNS)で華やかな写真を投稿したり、「稼げる」と持ち掛けたりして勧誘し、高額な金銭を要求するのが近年の特徴。大学側は新入生向けの講座を開くなど注意喚起に力を入れている。

上智大学がホームページに掲載した新入生向け交流会などに関する注意喚起文

「新入生歓迎パーティーやります。豪華景品あり!」。ツイッターのプロフィル欄に「#春から大学生」と書き込んだ都内の私立大の男子新入生(18)の元には、イベントへの参加を促すメッセージが数日で10件以上あった。「どんな団体か分からないが、一斉に勧誘が来て怖い」と話す。

悪質なサークルの一端が明らかになったのは、警視庁が2018年11月に摘発した大学生のサークル「TL」を巡る事件だ。サークル名義のツイッターには飲食店を貸し切りにしたパーティーの写真が投稿され、「日本一のイベントチーム」と標榜。ツイッターや飲み会で「簡単に稼げる」と学生を誘っていた。

しかし実際には毎月一定の人数を入会させるノルマをメンバーに課し、達成できなければ不足分1人につき3万円の罰金を徴収。払えない場合は脅したり暴行したりしたとされ、警視庁は幹部だった日本大の学生らを強盗や恐喝の疑いで逮捕した。約20人が警視庁にTLとのトラブルを相談してきているという。

国民生活センターによると、イベントサークルでのトラブルに関する相談事例は15年から確認され、増加傾向にある。SNSで知り合った人に勧誘されて入会し、参加費や退会費の支払いを執拗に要求されるケースが目立つという。

サークル以外でも被害が出ている。都内の私立大では3年ほど前から、「資産を増やせる投資を教える」として、教材のDVDを約50万円で学生に売りつける被害が年に数十件起きている。DVDを買うため借金した学生もいるという。大学の担当者は「口コミで広がり、把握することは難しい」と頭を悩ます。

カルト団体などによるトラブルは以前からあるが、学生問題に詳しい中村新造弁護士は「仕送りが減って経済的に苦しい学生が増えるなか、最近は『簡単にもうかる』という言葉で学生に近づく手口が目立ってきた」と指摘する。

各大学は対策に乗り出しており、上智大と明治学院大は3月、ホームページ上で「主催者のはっきりしない企画には参加しないで」などと注意喚起。上智大は19年度から、マルチ商法や投資詐欺の勧誘などへの対応法をクイズ形式で学ぶ新入生向けのeラーニング講座を設けた。

民法改正により22年4月からは成人年齢が18歳に引き下げられ、大学の新入生を含む若者の消費トラブルの拡大が懸念されている。国民生活センターの担当者は「被害を減らすには、トラブルの情報を共有するなど大学側の対策強化が重要。学生も甘い言葉をうのみにせず、判断力を磨いてほしい」と話した。

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