2019年5月27日(月)

F35A、事故直前に「訓練中止」連絡 防衛省が究明急ぐ

政治
2019/4/10 14:27 (2019/4/11 2:00更新)
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青森県沖の太平洋上で消息不明となった航空自衛隊の最新鋭ステルス戦闘機F35Aについて、防衛省は10日、墜落したと断定した。事故直前に機体から「訓練の中止」の通信があったことなどが判明しており、防衛省は原因究明を急いでいる。

事故を起こした機体は米国から部品を調達し、三菱重工小牧南工場で組み立てた1号機

事故を起こした機体は米国から部品を調達し、三菱重工小牧南工場で組み立てた1号機

防衛省内に設置した航空事故調査委員会で原因究明にあたる。岩屋毅防衛相は10日、同省内で記者団に「調査委員会で原因を究明し、再発防止に努めたい」と述べた。関係者によると、空自が米軍に調査協力を依頼しているという。

F35Aは9日午後7時ごろ、訓練のため計4機で所属する空自三沢基地(青森県三沢市)を離陸し、約25分後に基地の東約135キロの太平洋上でレーダーから消えた。

搭乗していた40代の男性3等空佐の安否は明らかになっていない。総飛行時間が約3200時間のベテランパイロットで、F35Aの飛行時間は約60時間だった。調査委は一緒に訓練していた3機のパイロットを聴取するなど状況を調べている。

防衛省によると、F35Aの事故は世界で初めてだ。当面の間、国内に配備済みの同型機12機の飛行を停止する。ただ、いずれも訓練のためのもので実戦配備されておらず、空の防衛の体制に影響はないという。

F35Aは米国などが開発した最新鋭のステルス戦闘機で、2018年1月から三沢基地で配備が始まった。事故を起こした機体は米国から部品を調達し、三菱重工業小牧南工場(愛知県豊山町)で組み立てられた1号機だという。

政府は次期主力戦闘機に位置づけるF35について、改修が難しいF15などに代えて随時調達している。

18年末には、F35Aと、短い滑走で離陸して垂直着陸ができるF35Bを合計で105機買い増し、将来的に147機体制にする方針を閣議了解した。トランプ米大統領は米国製の装備品の購入拡大を求めており、これに応える狙いもあった。仮に機体のトラブルが原因であれば、調達計画に影響が出かねないとの懸念もある。

自民党は10日、国防部会と安全保障調査会の合同会議を開き、防衛省に事故に関する説明を求めた。出席者から「製造段階に不備はなかったのか」や「組み立ての工程に問題があったのではないか」などの意見が出た。

自民党の閣僚経験者の一人は、墜落によってF35Aの情報流出を懸念する。機体の一部を他国が回収して解析すれば、最新鋭の防衛システムが漏れる可能性があるとみる。

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