2019年9月21日(土)

イスラエル総選挙 投票始まる 首相続投か政権交代か

2019/4/9 20:34
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【エルサレム=飛田雅則】イスラエルの総選挙の投票が9日始まった。焦点はネタニヤフ首相の与党の右派リクードなど右派・宗教政党が過半数を獲得してネタニヤフ氏が続投するのか、ガンツ元軍参謀総長が率いる中道政党連合「青と白」を中心とする中道・左派勢力が10年ぶりの政権交代を実現するのか。パレスチナ和平など中東情勢を左右する選挙に注目が集まっている。

エルサレムの小学校で投票する有権者

全国1区の比例代表制の選挙には、約40の政党・政党連合が参加した。9日午前7時(日本時間午後1時)に投票が始まり、同日午後10時に締め切られる。10日未明(日本時間同日午前)にも大勢が判明する見通しだ。

9日正午時点の投票率は24.8%と、2015年の前回選挙を2.1ポイント下回っている。エルサレムにある小学校の投票所には投票開始とともに多くの人が集まった。

40代の女性会社員は「もちろんリクードにいれた。イスラエルはイランやパレスチナなど脅威に囲まれている。ネタニヤフ氏ほど強いリーダーはいない」と強調した。一方、ハイテク企業に勤める男性会社員のガイさん(54)は「汚職疑惑があるネタニヤフはもう十分だ。『青と白』に投票した。この国には政権交代が必要だ」と語った。

選挙戦はリクードと、ガンツ元軍参謀総長らの「青と白」が第1党を争う構図となっている。通算13年間、首相として国を率いてきたネタニヤフ氏は米国のトランプ大統領との親密な関係をアピールする。経済や外交の実績を評価する意見がある半面、相次ぐ汚職疑惑に国民の批判も広がっている。

新顔のガンツ氏はクリーンなイメージで国民の「結束」を訴えた。軍トップの参謀総長経験者のヤアロン、アシュケナジ両氏も加わり、国民の関心が高い安全保障への強さをアピールした。半面、政治経験がないことを懸念する声もある。

米国のトランプ政権はイスラエルの総選挙後、パレスチナとの中東和平案を公表する予定だ。ネタニヤフ氏は投票日直前、パレスチナ自治区にあるヨルダン川西岸のユダヤ人入植地を併合する方針を示した。併合すれば、国際社会が支持するパレスチナ国家樹立による2国家共存での和平が困難になる可能性がある。

一方、ガンツ氏はパレスチナとの「分離」を主張する。首相になればパレスチナ問題の解決に向けてアラブ諸国との対話を重視する姿勢を示している。イスラエルが和平案を受け入れるかどうかは、選挙結果と次期連立政権の枠組みに影響されそうだ。

選挙前の世論調査によるとリクードと「青と白」が接戦。いずれの党も国会議席の過半数に届かないのは確実だ。次期首相に誰がなるかは、選挙後の連立協議に左右される。ネタニヤフ氏のリクードを中心とする右派勢力が優勢との観測が広がっている。

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