2019年6月25日(火)

中小企業の業務自動化支援 松山市、導入促進へ補助金

エレクトロニクス
中国・四国
2019/4/10 6:00
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松山市は中小企業の業務自動化を支援する。NTTデータ伊予銀行などと協力して定型業務を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入を促し、50万円を上限に費用の半額を補助する。自治体による企業へのRPA導入の補助は全国でも初めてだという。地元中小の人手不足解消と生産性向上の両立を通じて経済活性化につなげる。

RPAの連携協定について発表する野志克仁市長(9日、松山市)

松山市が9日、RPA導入の補助制度創設を発表した。松山に事業所を置く中小企業へのRPAについての周知啓発や導入促進、関連人材の育成に向け同日、NTTデータと伊予銀行、愛媛銀行、愛媛信用金庫の地元金融機関と「RPA先進都市まつやまの実現に向けた連携協定」を結んだ。

NTTデータは、自社のRPAソフト「ウィンアクター」を松山市限定の特別価格で提供する。導入1年目はライセンスなど基本料金に加えて担当者の技術研修などが必要だが、通常より4割程度抑えた100万円の利用料金とする。市からの補助により、企業は50万円の負担で導入できる計算だ。補助対象外となる2年目以降は、利用料金を年50万円に抑えて継続を支える。

各金融機関は中小企業に制度を紹介する窓口機能を担う。地元の顧客ネットワークを生かし、自動化できる事務作業が多いといった、高い導入効果が見込める中小企業にRPAを提案する。周知啓発のための企業向けセミナーも随時開催する。

野志克仁市長は同日の記者会見で「市内企業の業務効率化を進めることで、人手不足対策や働き方改革を支援したい」と述べた。市は補助費用として19年度予算に約1000万円を計上。まず同年度に20社の利用を目標とする。NTTデータ以外のサービスでも補助は利用できる。

RPAはデータ入力や名簿の作成などパソコン上の単純作業を、ソフトウエアによって自動化する仕組み。同社のウィンアクターは全国で約3000社が採用している。「大手企業の多くが何らかのRPAを利用している」(NTTデータ社会基盤ソリューション事業本部の中川拓也課長)が、中小の普及はまだ進んでいない。

同社によると、一般的に手作業の3倍の速度での作業が可能で、24時間稼働もできるため「生産性は人の9倍を超える」(中川課長)。導入企業は従業員を新たに雇用するよりも少ない投資で大幅な業務効率化が見込める。

効率化で捻出した人員や時間は、営業・研究開発など創造的な業務に振り向けることで業績改善が期待できる。今回の制度を活用すれば、1日3時間程度の利用で投資費用に見合った効果が得られることなどを企業にアピールする。

茨城県つくば市など、自治体が職員の業務負担軽減のためにRPAを活用する事例は全国で増えている。産官が連携して地域経済活性化にまでつなげようという取り組みは珍しい。

連携協定では、企業による効果的な導入事例を募るコンテストの開催も計画する。RPAの技術者は遠隔地や在宅でも働けるため、育児や介護中の人材を育成する仕組みづくりなども検討する。(棗田将吾)

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