地域研究工房の小磯修二氏「札幌圏との格差是正を」
新知事誕生 針路を問う

2019/4/10 20:00
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全国最年少で北海道知事になる鈴木直道氏(38)にとって、北海道行政は未経験のことばかりだろう。夕張市長の経験を生かせる部分もあるが、全てを夕張から道に置き換えるのには限界がある。新たに学ぶ気持ちで北海道の将来に向き合ってほしい。

小磯修二・地域研究工房代表理事

小磯修二・地域研究工房代表理事

小磯 修二氏(こいそ・しゅうじ) 72年(昭47年)京大法卒、北海道開発庁(現、国土交通省)入庁。99年に釧路公立大学教授、2008年同学長。12年に北大公共政策大学院特任教授。17年から現職。地域課題を解決する研究プロジェクトを数多く組織している。70歳。

かつてのように国についていけば発展するという時代ではない。反対を恐れず、具体的な戦略ビジョンを早い段階で示すべきだろう。

エネルギー政策ではローカルな資源の活用が大事になる。北海道の消費額でもっとも外に漏れているのが化石燃料などの購入コストだ。毎年5千億円が道外に流れており、機会損失となっている。この流れを止めるため、地域で作られた再生可能エネルギーの活用を促す。エネルギー政策は国全体の政策として議論されがちだが、きちんと地域の政策として議論すべきだ。

観光分野では民間の投資を呼びこむべきだ。観光消費を地域の経済に結びつけるには、インフラとなる宿泊施設がいる。たとえばニセコは10年で観光消費が2倍になったが、海外からの投資を元手にホテルが建設されなければ、この急成長も実現できなかった。宿泊機能の向上は国の財政に依存できず、民間投資が必要になる。

地方と札幌圏の格差是正にも正面から取り組んでほしい。地方でいくら頑張って投資しても、放っておけば恩恵は札幌圏に流れてしまう。鈴木新知事は配慮した政策を進めてほしい。

広い北海道を1人で把握するのは大変だろう。地方の振興局の予算を厚くしたり、独自に政策を出せるように地方の権限を増やしたりする必要がある。

組織作りという意味では道庁の職員一人一人が各地域をしっかりと分析できるようにすべきだ。道は北海道経済白書の作成を10年以上前にやめてしまったが、これを復活させるのはどうか。白書の作成によって職員自らが道内の課題を考え、それを乗り越える政策を生む力が養われるはずだ。道政の担い手となる人材が活発に議論することで、足元にある北海道をしっかり見極めてほしい。

(聞き手は向野崚)

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