2019年5月24日(金)

スポーツ産業振興で連携 さいたま市や埼玉大など

南関東・静岡
2019/4/9 22:09
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さいたま市は民間企業と連携してスポーツ振興に取り組む「スポーツシューレ事業」を始める。市内外から訪れる人がプロチームによる指導を受けたり、企業にスポーツ関連技術研究の実証の場を提供したりする。スポーツ産業の創出と成長を後押ししつつ、地元の宿泊施設や飲食業者などへの集客を促し、地域経済の活性を図る。

ICTを活用し、競技中の運動量などを測定・分析する実験に取り組む。

ICTを活用し、競技中の運動量などを測定・分析する実験に取り組む。

学校の部活やユースクラブなどが、練習場所や宿泊施設としてスポーツ施設を利用しようとするとき、必要なサービスをまとめて提供できるようにする。一般社団法人「さいたまスポーツコミッション(SSC)」が利用者と施設や企業などをつなげる調整役となる。プロチームから指導者を派遣するなど、人材育成のメニューも用意する。

さいたま市内にはレッズランドや大宮けんぽグラウンドなど、サッカーや野球、ラグビー場などを備えた施設が集まっている。サッカーの浦和レッズや大宮アルディージャといったプロのスポーツチームもある。この特性を生かして「スポーツを『する場』と『学ぶ場』の両方を提供」(市スポーツ政策室)し、地域内外から人を呼び込む。

スポーツ分野の技術を研究開発する企業や大学も巻き込む。施設利用者とスポーツ用品やICT(情報通信技術)関連企業などをつなぎ、新技術の実証実験ができるようにする。企業側は技術改良に役立てられる。被験者として参加した利用者には、最先端の技術を体験しながら競技力の向上につなげてもらう。

市は3月下旬に、情報システム開発のNTTコムウェアなどと連携。女子ラクロスの試合でICTの活用実験に取り組んだ。選手に専用の装置を身につけてもらい、走った距離や速度、心拍数などのデータを収集・分析。今後も小中学生からトップ選手までデータを収集、競技力向上に必要な体力やスピードの目標値などを、施設利用者に提供できるようにする。

スポーツシューレはドイツにある滞在型の大規模なトレーニング施設を指す。敷地内に競技施設や宿泊、食事、研修施設などが集まる。地域のスポーツ教室からプロチームの合宿、スポーツ関連のセミナーなど幅広い用途に対応する。

さいたま市は施設整備ではなく、既存のスポーツ施設群を活用し、宿泊・飲食業者や大学、企業と連携する。同市とSSCは埼玉大学のほか、浦和レッズと大宮アルディージャ、NTTデータ経営研究所、ホテル「ラフレさいたま」など、事業に参画する7者と連携協定を結んだ。事業運営の中心となるSSCでは3月、プロ野球、横浜DeNAベイスターズの初代社長で、スポーツビジネスの手腕で知られる池田純氏が会長に就任した。

池田氏は「スポーツによる地域活性を成し遂げている地域はまだない。モデルケースになる可能性がある」と意気込む。政府もスポーツ市場規模を5.5兆円(15年)から15兆円に拡大する目標を掲げる。

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