2019年7月21日(日)

「リニアの街」相模原活性化、問われる新市長の手腕

2019/4/9 22:00
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22日、本村賢太郎氏(48)が新しい相模原市長に就任する。2027年に開業予定のリニア中央新幹線では市内に新駅が設置され、飛躍的に高まる交通網を生かしたまちづくりが大きな課題となる。選挙戦で争点となった米軍施設の跡地開発について、本村氏は慎重に検討する姿勢を示す。人口が減少していくなかで地域をどう活性化していくか、新市長の手腕が問われる。

一部が返還された米軍相模総合補給廠(相模原市)

7日投開票の市長選で、4選を目指し次点となった加山俊夫氏(74)に6万票近い差をつけて当選した。加山氏はリニア新駅の周辺開発のほか、JR相模原駅前の米軍相模総合補給廠(しょう)についても一部返還と、行政機関や大型商業施設を整備して市の核にする構想を推進してきた。本村氏は返還を実現した加山氏の実績は認めながらも、跡地の開発については「一度立ち止まって見直す」としている。

本村氏は大規模開発で市外から人を呼び込むより、現在の市民の利便性向上に軸足を置いている。小田急多摩線を唐木田駅(東京都多摩市)からJR相模原駅まで延伸する構想についても、本村氏は必要性は認めながらも「ハードルが高い」と実現には厳しい見方をする。本村氏は駅から遠い地域や高齢者が移動しにくい丘陵地などにコミュニティーバスを走らせることを優先する考えだ。

JR橋本駅周辺ではリニア新駅開業に向け、市が主導する再開発のほか、民間による商業開発などが進んでいる。リニアの開通で東京都心などとの間だけでなく、名古屋など広域での交通利便性が向上する。地価も上昇しており、19年の公示地価でも神奈川県内住宅地の上昇率4位までを同駅周辺が占めた。

道路も15年に市内区間が全線開通した、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の効果が出ている。共同印刷など工場や物流拠点の立地が相次いでいる。こうしたまちづくりをどのように進めていくのか、本村氏は早期に具体的な方針を示すことが必要になる。

相模原市は19年をピークに人口が減少に転じると予想される。現在の72万人が、40年には67万人まで減るとみられている。65歳以上の高齢者の割合も35%と、15年から10ポイント以上高まる見通しだ。

今秋には90年代から市内の商業拠点としての役割を担ってきた、小田急相模大野駅近くの伊勢丹相模原店が閉店する。これまで以上に東京都町田市など都内の近隣市の商業施設に客が吸い寄せられる可能性があり、相模原の商業の地盤沈下が懸念される。

本村氏は何事も「市民と話し合って進める」と強調する。地域の活力を維持し、市民が住み続けたいと思う相模原をつくっていくことが本村氏には求められている。(浦崎唯美子)

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