習氏 2度訪日の重荷、迷走した駐日大使に切り札
編集委員 中沢克二
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中国政府は外務次官の孔鉉佑を駐日大使とする人事を決め、日本側に伝えた。手続きを経て、5月にも着任する。過去最長の9年以上、大使を務めた程永華にとっては突然の帰国命令である。
直後の6月、大阪で開く20カ国・地域(G20)首脳会議の際、国家主席、習近平(シー・ジンピン)が就任後、初めて訪日する調整も始まった。見届けずに帰る程永華の心境はいかばかりか。最悪だった日中関係を何とか維持しようと努めた最大...

経済や安全保障面で米国の一極支配を打破しようとする中国の習近平政権の中枢で何が起きているのか。習国家主席による腐敗撲滅政策の狙いなどを的確に報じ、「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞した中沢克二・日本経済新聞編集委員(元中国総局長)が深掘りする。