2019年8月25日(日)

EUがAI倫理指針 人間主体、説明責任果たす仕組みを

2019/4/9 3:04
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【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合(EU)の欧州委員会は8日、人工知能(AI)の倫理指針を公表した。指針はAIが現行法や規制を順守した上で、AI設計時に守るべき7つの必要条件を明示した。あくまで人間が主体でAIが補完的な役割に徹するとし、市民が自分の情報を管理できるようにすべきだと主張した。問題が起きた際の説明責任を果たす仕組みを整えるよう求めた。

指針は「人間中心」のアプローチで「信頼できるAI」を目指す方針を示した。AIはビッグデータなどの活用を通じ、健康医療やエネルギー消費効率化、自動車の安全など幅広い恩恵があるとされる。一方で感情を持たないAIによる倫理的な問題も出ることが懸念されている。

指針はAIが人間の監視のもとに扱われるべきだと指摘。個人データが差別などに悪用されないよう市民自ら制御できるようにすべきだとも訴えた。多様性や公平性を重視した上で、社会・環境面での幸福を追求するために活用されるべきだとしたほか、AIがもたらす問題など結果に対する説明責任を確実にするためのメカニズムが整備されるべきだとも主張した。

2018年12月段階の案では大きな柱として10項目をあげていたが、今回は7項目にスリム化された。ただ内容は大きく変わっていないという。今夏には、多くの企業や研究機関の参加を得て、指針が実際にうまく運用できるかどうかを確認する試験段階に入る。

EUは18年4月にAI戦略を公表した。欧州は開発面で米国や中国に後れをとっているとの焦りもある。指針の策定にはEUがルールづくりで主導権を握りたい狙いもある。

日本でも3月に公平性やプライバシー確保など7原則からなる「人間中心のAI社会原則」をまとめた。教育などに力を入れている点では、EUとの違いはあるが「方向性はほとんど同じ」(日本政府関係者)。世界のルールづくりで日欧が協力する考えだ。経済協力開発機構(OECD)でも議論が進んでいるほか、日本が議長国をつとめる6月の20カ国・地域(G20)首脳会議でも議題になる可能性がある。

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