自民幹部、首相と副総理に言及 道路要望時に 「忖度」発言問題
国土交通省は8日、道路工事を巡る塚田一郎前副大臣と自民党の吉田博美参院幹事長との会談を記録した電子メールの内容を衆院に提出した。吉田氏は「総理、副総理と言うと国交省もやりにくいだろう」と安倍晋三首相と麻生太郎副総理兼財務相に言及していた。野党は同日、与党に塚田氏の参考人招致を求めた。
メールは昨年12月20日、吉田氏と大家敏志参院議員が塚田氏に道路工事に関する要望をした時のやりとりをまとめたものだ。吉田氏が首相と副総理に言及し「与党、公明党、野党で協力して進めていく」と述べている。塚田氏は「財務大臣にも要望していただきき感謝」と発言した。国交省の局長や課長が同席していた。
塚田氏は1日の集会で首相と麻生氏の地元を結ぶ「下関北九州道路」の整備を巡り「忖度(そんたく)した」と発言した。2日に「発言は事実と異なる」と撤回して謝罪し5日に副大臣を辞任した。
国民民主党の原口一博国対委員長は8日、記者団の取材に応じ「塚田副大臣はウソをついていたのではなく、ありのままのことを言っていた」と批判した。