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ナスカの地上絵、地上から鑑賞 飛行機乗らず

【イカ=共同】南米ペルーの世界遺産「ナスカの地上絵」は動物や幾何学模様など不思議な線画で知られ、世界中から多くの観光客が訪れる。小型飛行機で上空から見るのが主流で、苦手な人にはハードルが高い。だが近隣で新たに発見された別の「地上絵」を、来年にも徒歩で地上から鑑賞できるようになるかもしれない。地元の観光収入増にも期待がかかる。

ナスカの地上絵は、ペルー南部ナスカの砂漠に描かれた数々の線画。鳥やサル、クモなどの生き物のほか、渦巻きや三角形の幾何学模様で知られる。1994年に世界遺産に登録された。神に雨乞いをするために描かれたという説が有力だ。

文化省で地上絵保護を担当するジョニー・イスラ氏は「1年かそこらで観光客や研究者が地上から絵を見ることができるようになる」と明かす。2018年4月、米誌ナショナル・ジオグラフィックはナスカ近郊のパルパで、地元考古学者ハイメ・カスティジョ氏らのチームが人や動物を描いた新たな地上絵を発見したと報じた。新発見は15~20くらいという。

1世紀ごろから数百年にわたり栄えたナスカ文化より前のパラカス文化に属する。ナスカのように平地でなく、山の斜面に描かれているのが特徴。このため上空からでなくても徒歩で近づいて鑑賞が可能という。イスラ氏らは線画にたまった土などを取り除いて掃除し、目視できるようにする作業を続けている。

ペルー全国観光協会によると、18年にナスカの地上絵を見に来た観光客は約14万3千人。うち約3分の1の約4万7千人はナスカではなく、首都リマにより近くてアクセスが良い南部ピスコとイカの空港からの小型機を利用した。

カスティジョ氏は「ナスカに立ち寄らない観光客も多く、地元に金を落とさない」と指摘。そこでパルパでは入場料を取って新たに見つかった地上絵を観光客に公開する計画が進行中という。

地元経済を潤すとともに、恒常的に予算不足に悩まされている文化省にもメリットがある。イスラ氏は「1人5ソル(約170円)の入場料を取るだけで、遺跡保護のための多くの資金が確保できる」と期待する。

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