2019年6月24日(月)

イスラエル総選挙 右派与党、中道野党連合と接戦
9日投票

中東・アフリカ
2019/4/8 18:26
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【エルサレム=飛田雅則】イスラエルの総選挙(定数120)は9日に投開票を迎える。通算13年首相を務めるネタニヤフ首相が続投できるかが最大の焦点だ。ただ汚職疑惑を抱える同氏が率いる右派リクードは第1党争いで中道政党連合「青と白」と接戦となっている。最終盤でパレスチナへの強硬姿勢や外交実績をアピールし議席の維持を狙う。

ネタニヤフ氏=ロイター

ガンツ氏=ロイター

5日に公表された有力メディアによる世論調査の獲得議席の予想はリクードは28議席と、政治刷新を訴えるガンツ元軍参謀総長らの「青と白」の28議席と拮抗している。解散前、リクードは30議席と第1党で宗教政党や極右と組んで連立政権を主導してきた。

ネタニヤフ氏は6日、現地メディアのインタビューでパレスチナ自治区のヨルダン川西岸のユダヤ人入植地について問われ、再選されれば「次の段階に進む。主権を広げる」とイスラエルに併合する方針を語った。

イスラエルは1967年の第3次中東戦争で占領したヨルダン川西岸にユダヤ人の住宅を建設してきた。占領地への入植は国際法違反だが、西岸には約120カ所にユダヤ人約40万人が生活している。

ネタニヤフ氏自身にも選挙戦で逆風が吹いている。検察が2019年2月末に収賄罪などで起訴する方針を表明したからだ。アラブ諸国に囲まれ、イランの脅威にさらされるイスラエルにとって安全保障は最大の関心事だ。ネタニヤフ氏は選挙戦終盤で入植地を併合する強硬姿勢や外交成果を誇示することで右派票を取り込もうとしている。

ネタニヤフ氏は3月下旬にはワシントンでトランプ米大統領と会談し、イスラエルが占領するゴラン高原について米国が主権を認める文書を交わした。同地は軍事上の要衝でイスラエルは81年に併合を宣言。国連安保理は認めていないが、ネタニヤフ氏は米国の政策転換を引き出すことに成功した。

ネタニヤフ氏の入植地の併合発言を受けて、ガンツ氏は「なぜ13年も首相を務めながら併合しなかったのか」「無責任だ」と批判した。ガンツ氏はパレスチナとの交渉に言及するが、分離を進める方針を示し支持拡大を図る。「青と白」にはガンツ氏を含め3人の元軍参謀総長が参加し、安全保障政策への強さを訴え政権交代を狙う。

イスラエルでは通常は国家元首の大統領が第1党に組閣を要請するが、円滑に多数派を形成できると判断した場合は第2党に要請する場合もある。右派陣営全体で過半数を確保する見通しで、ネタニヤフ氏は連立協議で優位との観測が広がっている。

投票は現地時間で9日午前7時(日本時間午後1時)に始まり、同日午後10時に締め切られ、即日開票される。大勢の判明は10日未明の見通し。有権者数は約633万人にのぼる。

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