東南ア 成長率4.6%に下方修正 本社調査
米中の貿易戦争で輸出減

2019/4/8 19:00
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日本経済新聞社と日本経済研究センターがアジアのエコノミストに経済見通しを聞く「アジア・コンセンサス」で、東南アジア諸国の2019年と20年の実質国内総生産(GDP)の成長率予測を下方修正した。米中の貿易戦争で各国の輸出産業に影響が及んでいるとの指摘が相次いだ。

調査は四半期ごとに実施している。今回は東南アジア諸国連合(ASEAN)主要5カ国の19年と20年の成長率予測はともに4.6%だった。18年12月の前回調査から19年は0.1ポイント、20年は0.2ポイント下方修正した。

修正の要因として、米中の貿易摩擦による中国経済の減速などを挙げる声が多かった。シンガポール社会科学大学のランドルフ・タン氏は「シンガポールでは、貿易収支実績に米中の緊張が影響していることが見え始めている」と指摘した。

中国経済の減速により各国でスマートフォン(スマホ)向け電子部品の輸出が減少するなどの影響を受け始めているようだ。貿易戦争以外では、英国の欧州連合(EU)離脱がマイナス要因になるとの指摘もあった。

ASEAN5カ国の中では、フィリピンとシンガポール、タイが前回調査より成長率の予測値が低下した。ASEAN以外では、インドの成長率予測を下方修正した。

フィリピンは19年の予測が前回調査比0.3ポイント減と下方修正の幅が大きかった。インフレ率には一服感が見られるが、BDOユニバンクのジョナサン・レイベラス氏は「英国のEU離脱を巡る混乱は下振れリスク」と指摘した。

インドについては政治不安を懸念する声も目立った。同国では11日に総選挙が始まり、モディ首相は続投を目指しているが、苦戦を予想する声が多い。「選挙結果が混迷すれば投資の停滞を招き足を引っ張る」(クリシルのダルマキルティ・ジョシ氏)と懸念する意見があった。

今回の「アジア・コンセンサス」では東南アジア主要5カ国とインドの現地専門家に21年までの成長率や物価、失業率などの見通しを聞いた。今回は3月8~27日に実施し、49件の有効回答を得た。

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