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北海道に最年少知事、鈴木流 試される突破力

新知事誕生 針路を問う

16年ぶりに新人同士の対決となった北海道知事選は7日の投開票の結果、前夕張市長の鈴木直道氏(38)が元衆院議員の石川知裕氏(45)に圧勝して初当選した。知事として全国最年少となる若さや、8年間務めた夕張市長としての経験から得た突破力を生かした道政のかじ取りに期待がかかる。ただ山積する様々な難題が新知事を待ち構えているのも事実だ。

初当選を喜ぶ鈴木直道新知事(手前(左))

「約束した公約を一つ一つ丁寧に形にしていくことに直ちに取り組む」。鈴木氏は7日夜、札幌市内の事務所でこう意気込んだ。難しい局面に立ち向かう重責からか、表情は終始引き締まったままだった。鈴木氏が「やるべきこと、やらなければならないことがいっぱいある」と話したように、北海道では近年、多くの難題が相次いで顕在化している。

代表格が人口減少だ。道内人口は2000年に入ってから30万人以上減り、現在は約530万人で推移。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、45年には15年比で138万人減の401万人となる。全国を上回るスピードで進む人口減は既に人手不足や企業のビジネス規模の縮小などの影響が出始めており、財政再生団体に転落した夕張での経験も生かした早急な対応が必要だ。

JR北の経営再建では、路線網の維持や収益力のテコ入れが最大の焦点となっている。道には、同社の支援を検討する国や利用者サイドの沿線自治体とJRの橋渡し役として、将来に向けての長期戦略が求められる。

鈴木氏は夕張市長時代に「攻めの廃線」を掲げ、石勝線夕張支線(新夕張―夕張)の廃止、バス転換を主導したことで知られる。だが利害関係者が多い地方の赤字路線の存廃問題は一筋縄ではいかない難題で、全道規模で沿線市町村との地道な協議が不可欠だ。

JR北への財政支援では、20年度までに地元自治体が行う支援をまとめる必要がある。さらに21年度以降にJRが国の支援を得るための法改正の議論もけん引役として期待されており、国とのパイプを強調して当選した鈴木氏が国との協議で経営再建への道筋を付けられるか。早速、新知事の手腕が問われそうだ。

カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致をめぐっては、鈴木氏は選挙期間中も曖昧な表現に終始した。基幹産業の観光産業にプラス効果をもたらず半面、ギャンブル依存症など負の側面もあり誘致に反対する意見も根強いためだ。

他府県が精力的に誘致に動き出しているが、鈴木氏は「道民目線で早期に判断する」と述べるにとどめる。誘致に踏み込むならその戦略を含め、迅速かつ具体的な判断を示す必要がある。

鈴木氏が選挙で掲げた公約は156本に上る。ネットで小口資金を募る「クラウドファンディング」などを活用し、道内外の個人や法人からお金を集める「ほっかいどう応援団会議」の創設を目玉に据える。厳しい道財政を改善させ、自由度の高い政策実現のための原資とする狙いだ。

地域の若者を研修などで支援する「北海道ニューリーダーネットワーク」の設立も訴えており、知事選の圧勝によってこれらの政策が看板倒れにならないよう実現する責任も負ったといえる。

鈴木氏が得た有権者からの支持は162万票を超えた。その手腕に期待が高まる分、評価の目も厳しくなるのは理の当然。逆境に立ち向かってきた突破力が早速試される局面がやってくる。

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