ラジオで聴くシベリア抑留 風化防ぐ、札幌の地域FM

2019/4/8 11:36
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旧ソ連によるシベリア抑留を経験した人々の声を伝えるラジオ番組「シベリア物語」が、札幌市厚別区の地域FM局で2月から始まった。パーソナリティーを務める同市の歯科衛生士、建部奈津子さん(45)は「『経験を後世に語り継ぎたい』との生存者の思いに応えるのが使命」と話し、高齢化する語り部を支える。

ラジオ番組「シベリア物語」のパーソナリティーを務める建部さん(3月、札幌市厚別区)=共同

建部さんがシベリア抑留に関心を持ったのは2010年、戦争体験者の講演会の手伝いをし、抑留体験者、神馬文男さん(93)=同市=の話を聞いたのがきっかけだった。「自分に抑留の知識がなかったことに衝撃を受けた。歴史の片隅に追いやられてはいけない」。抑留者の中には女性もいたとされ、人ごととは思えなかった。

生存者は高齢化し、経験を伝える場が必要だと痛感。15年に「シベリア抑留体験を語る会札幌」を立ち上げ、約50回の講演会を開いてきた。回を重ねるごとに賛同者は増え「亡くなった父の供養になる」と参加を申し出た遺族もいた。

活動が話題となり、ラジオ各局から第2次世界大戦をテーマにした番組などに呼ばれ、今年2月、自分の番組を始めた。

3月下旬、4回目の放送でゲストに神馬さんを招いた。「悲しくて、つらくて、毎日泣いて仕事したことしか思い出されない」。神馬さんは海軍兵士として約2年間抑留され、1947年8月に帰国した。

氷点下30度の極寒の地でネズミや虫を食べて飢えをしのぎ、炭鉱の坑内で成人を迎えたことや「日本の人々はこのことを知っているのだろうか」と孤独や絶望にさいなまれた日々を振り返った。

「生存者の生の声は重みが違う。若い人にぜひ聞いてもらいたい」と建部さん。放送は地域FM局「レディオティーバイティーFMドラマシティ」で第2、第4水曜の午後3時から、インターネット上の無料配信サービス「リスラジ」でも聴ける。〔共同〕

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