4重選悲喜こもごも 決意の維新、消沈の反維新

2019/4/8 11:05
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大阪維新の会が看板政策「大阪都構想」の実現に向けて圧勝した大阪府知事・市長のダブル選と府議選、市議選を加えた「4重選」。選挙戦を終えた8日、当選した維新の候補者は早朝から地元で勝利を報告した。一方、落選した自民党や公明党などの「反維新」勢力の候補者は「力が及ばなかった」などと無念の思いを口にした。

大阪府議選の当選から一夜明け、街頭であいさつする魚森豪太郎氏(中)(8日午前、大阪市都島区)

維新新人と自民現職の候補者が一騎打ちで争った大阪府議会選の都島選挙区。得票率約55%で当選した維新の魚森豪太郎氏(40)は、同区の維新の市議選当選者2人とともに、8日午前7時ごろから1時間半にわたって大阪メトロ都島駅付近の街頭に立った。

紺色スーツに黄色のネクタイをした魚森氏は、通勤する有権者一人ひとりに「おはようございます。いってらっしゃい」と声をかけた。時折、有権者からは「おめでとう」「お疲れさま」と声をかけられ、「ありがとうございます」と満面の笑みで応じた。

同区は市議選を含めて維新対反維新の対立が鮮明な「今回の選挙の縮図」。大阪府知事選で勝利を収めた吉村洋文氏(43)は府議市議選告示日の3月29日、同駅前でそう話していた。定数1の同区では維新擁立の魚森氏と、自民党で府議団幹事長を務める花谷充愉氏(56)が激しく争い、魚森氏が勝利した。

魚森氏にとって今回の選挙は因縁の戦いだった。2015年4月の統一地方選でも花谷氏と争ったが、結果は得票率約48%で惜敗。4年間の浪人生活を余儀なくされた。当時について「あれだけ維新の追い風があったにもかかわらず敗北した」と悔やむ。

魚森氏は一夜明けての心境について「有権者の意思を重く受け止める」とし、「教育政策などこれまでの維新の取り組みを評価してもらえたことが勝因」と語った。「25年の国際博覧会(大阪・関西万博)を成功させるほか、4年以内に都構想実現に必要な住民投票を実施したい」と決意を語った。

維新にとって魚森氏の当選は「民意の象徴」(維新幹部)。花谷氏は都構想の設計図をつくる法定協議会(法定協)の委員で維新と鋭く対立し、選挙前は「都構想に終止符を打つ戦いにしたい」などと発言。公明党に対しては「一人でも多く応援してほしい」と呼びかけるなど、反維新の中心人物でもあった。

その花谷氏を破ったことで、都構想議論の加速を期待する。維新は市議選でも同区で勝利。定数3に対して2人を擁立するなど、票割れリスクを冒しながらも2人が当選した。

「大変残念な結果だが、全て私の力のなさが招いた結果だ」。魚森氏に敗れた当選5回を誇るベテラン、花谷氏は同日未明、選挙結果を受け同区の事務所で力なく語った。

選挙戦終盤では維新陣営に追い風が吹いていると感じていたという。「これが示された民意だとしっかりと受け止めている」と顔を紅潮させた花谷氏。敗因について「対立、分断に終止符を、という訴えが浸透しなかったということだろう」とこぼした。

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