2019年8月23日(金)

北海道知事当選の鈴木氏、迅速な決断と実行を

2019/4/8 11:00
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北海道知事に当選した鈴木直道氏には、高橋はるみ知事が積み残した課題解決について、何より迅速な決断と実行が求められる。今後の人口減少は未曽有のペースとなり、従来の延長線上の対策では通じない事態も想定される。自治体や民間企業、議会などあらゆるステークホルダーの衆知を集め、不連続の難題にスピード感を持って向き合うことが必要だ。

高橋知事は食や観光の分野で「北海道ブランド」の育成に一定の成果を上げた。ただ、悪化が続くJR北海道の経営問題や、3自治体が誘致に熱心に取り組むカジノを含む統合型リゾート(IR)構想、泊原発を含むエネルギー問題など、結論を先送りした分野も少なくない。

「あらゆるピンチをチャンスに変える」。一方の鈴木氏も選挙期間中、歯切れの良い発言が多かったとはいえない。同年代の小泉進次郎衆院議員や6日に応援に駆けつけた菅義偉官房長官と並び、自らのスローガンの浸透に腐心した。争点に踏み込まない「安全運転」に徹したといえる。

ただ、いずれの問題ももはや放置できない水準にまで来ている。JR問題はJRだけで解決することは不可能で、沿線自治体や住民、道庁を含む「オール道民」が当事者として捉え、関与していくべきだ。新知事にはそのまとめ役と、国との交渉・仲介を強力に推し進める役目が求められる。

全国各地が名乗りを上げるIR誘致や泊原発の再稼働問題なども「道民目線」で決めることは大事だが、時間との闘いというもう一つの側面を忘れてはならない。「首長は最後の決定者」。鈴木氏はかつてのインタビューで行政トップの仕事についてこう述べており、無為に過ごすことはないと思いたい。

夕張市長としての8年間の実績は、鈴木氏の自信の源のはずだ。ただ、北海道となれば、規模は格段に違う。面積だけをみてもオーストリアとほぼ同じで、九州の約2倍。沖縄県を含む九州圏に知事が計8人いることを考えると、一人にかかる負担と重圧は大きい。鈴木氏が言う北海道にゆかりのある経済人らでつくる「ほっかいどう応援団会議」もポイントになってくる。

2040年の北海道の人口は419万人程度と予想され、現時点から100万人強減る。都市と地方の格差はより大きくなり、生産年齢人口や世帯数の減少など、地域のあり方も根底から覆る。そんな未来へどのようなグランドデザインを描くのか、最年少知事の突破力にまずは期待したい。

(札幌支社編集部長 川原健一)

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