/

デジタル防衛へG7主導 外相宣言を採択、中ロ念頭に

【ディナール(フランス北西部)=佐堀万梨映、白石透冴】主要7カ国(G7)外相会合はサイバー攻撃防止に向けた行動を強化していくことで合意した。国家が商業的な情報収集をしないなど、悪意のあるサイバー活動を非難して防止する国際社会の取り組みをG7が主導する。デジタル分野で台頭する中国やロシアを意識している。外相宣言として採択した。

「サイバー規範イニシアチブに関するディナール宣言」は各国の優れた取り組みや教訓を共有するとした。8月にフランス南西部のビアリッツで開くG7首脳会議(サミット)でつくる文書につなげる。議長国フランスのルドリアン外相は閉幕時の記者会見で「この宣言のメカニズムでサイバー空間が開かれた安全な場所であるようにしていきたい」と述べた。

河野太郎外相は記者団に6月に大阪で開くG20(20カ国・地域)サミットでも議題になるとの見通しを示した。ルドリアン仏外相や英国のハント外相らとは個別に会談し、G7とG20に向け、電子商取引とデータ管理を含む分野で緊密に協力していくことを確認した。

河野氏は5日の外相会合の討議で最初に発言し、デジタル分野でのG7の結束を訴えた。「サイバー空間をめぐる情勢が激しさを増している。G7主導でサイバー空間の安定のためのメッセージが必要だ」と説いた。

ハント英外相は記者会見で「我々は現在、民主主義への介入を抑止する戦略を持っていない」との認識を示した。いずれも先進国へのサイバー攻撃や偽ニュースによる選挙介入などを防ぐための協調が欠かせないとみている。英国の欧州連合(EU)離脱などで揺れる欧州勢も、この分野では足並みがそろった。

次世代通信規格「5G」が世界で広がればデジタル分野の優劣がその国の経済や政治、安全保障を左右しかねない。G7はデジタルで台頭する中国やロシアへの危機感を共有している。

米国のコーツ国家情報長官は1月の報告書で、ロシアには米国の一部の送電網を数時間停止させるサイバー攻撃の能力があると指摘し、中国は米軍や軍事インフラに対する攻撃を頻繁に試みていると主張した。

トランプ政権は昨年9月にハッカーに対抗する「攻撃型行動」を米軍に認めた。ハッカーが不正に遠隔操作できるコンピューターネットワークやサイバー攻撃に必要なサービスを売買する闇市場を破壊する権限を与えた。米軍は18年11月の中間選挙に介入を試みるロシア政府系のハッカー集団や軍関係者を追跡した。

ペンス米副大統領は3日、欧州各国の政府関係者を前に「中国と争わなければならない」と講演した。グレネル駐独米大使は3月上旬、ドイツ政府に書簡を送って5G構築に中国メーカーを認める場合には安全保障に関する機密情報を共有できなくなると警告した。

ポンペオ米国務長官は5~6日の主要7カ国(G7)外相会合を欠席した。米国務省は「(代わりに出席した)サリバン国務副長官に全幅の信頼を置いている」と説明した。昨年のG7サミットではトランプ米大統領が一度まとめた首脳宣言を拒否する異例の事態が起きた。トランプ氏と欧州首脳らとの隔たりが鮮明になる中でのポンペオ氏の欠席となった。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン