「メダル取れば」は幻想 フェンシング太田雄貴の革命
アスリート事業家の冒険(4)
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日本のオリンピック競技団体の中で最年少のトップといえば、日本フェンシング協会会長の太田雄貴だ。日本人のフェンシング史上、初の五輪メダリストとなり、2020年東京大会招致でも活躍した若きリーダーはいま、「メダル至上主義との決別」を掲げて協会改革にまい進する。五輪に愛されたアスリートらしからぬ旗印は、マイナースポーツの悲哀が原点だった。
アトラクション満載の全日本
昨年12月9日、太田はパリにいた。目覚めは早朝5時。妻でTBSア...
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「現役終えたら、ただの人」。人生の半ばで選手生活を終えるアスリートたちは、そんなふうに揶揄(やゆ)されてきた。だが「セカンドキャリア」という言葉がスポーツ界にも定着した昨今、現役引退に前後して事業を興す者がめずらしくない。社会の貧困を解消するため起業する者、自らが半生をささげた競技の改革に乗り出す者……。活動のフィールドを変えながら戦い続ける彼らの挑戦を追う。
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