山形の百貨店・大沼 米沢店を閉店へ 本店再建に集中

2019/4/4 20:00
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山形市の老舗百貨店、大沼は米沢店(山形県米沢市)を8月に閉店する。3月に従業員が経営する新体制に移行したが、赤字が続く米沢店を閉鎖することで経営資源を山形本店に集中させる。米沢には別途、店舗を借りて出張所機能を残す方針で、約50人の社員のうち希望者は山形へ異動し、雇用は維持する。リストラ策の提示で金融機関も支援する方針とみられる。

米沢店の閉店を発表する大沼の永瀬孝社長(4日、山形県米沢市)

閉鎖が決まった大沼米沢店(山形県米沢市)

米沢店は1970年に開店、ピークの92年は60億円の売り上げがあった。昨春の改装時に6階ある店舗を3階に縮小、食品部門を充実させるリニューアルを実施したが、アパレルなど有力テナントが相次ぎ撤退。2019年2月期の売り上げは12億円に減少し、赤字幅も拡大していた。

同日、米沢市内で記者会見した永瀬孝社長は「前経営陣の資金不足で改装が一部にとどまり、状況が悪化した。苦渋の決断だが8月15日をもって閉店する」と説明した。土地建物は売却する方針で、既に問い合わせもあるという。

近く閉店セールを始めることで当面は売り上げ増を期待する。山形本店単独では損益トントンに近い状態という。老朽化した米沢店は設備を維持するコストもかさんでおり、閉店で損益改善を見込む。大沼は地元の法人・個人からの増資も検討してきたが、永瀬社長は「このままでは傷口が広がるだけだった。支援の輪の広がりには別の形でこたえたい」と述べた。

赤字が続く米沢店に対し、地元金融機関は長年、支援継続には閉店が避けられないとしていた。しかし、労使関係などを背景に閉鎖は先送りされたといわれ、昨年4月に子会社化した投資ファンドも米沢店の継続を前提にした再生計画を作っていた。

大沼は今回の閉店は金融機関に求められたものではないと説明しており、新経営陣が発足後わずか10日ほどでまとめた。説明を受けた金融機関は明確な方針を示していないが、大きな赤字を出していた米沢閉店で支援するとみられる。

今後は自社物件である新庄市のギフトショップ売却も検討、「百貨店の灯を消さないことを第一優先にすべてを見直す」(永瀬社長)という新たな再生計画作りを急ぐ。

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