レスリング中の事故で提訴 元学生王者、2億円請求
2017年に味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)で行われたレスリングの強化合宿中に大けがを負った元学生王者で当時大学生の谷口慧志さん(22)と母親が、安全に配慮する義務を怠ったとして、けがを負わせた選手や日本レスリング協会、選手強化本部長だった栄和人氏らに計2億2600万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴したことが4日、分かった。提訴は3月28日付。
訴えられたのは他に、相手選手が所属する警備大手ALSOK(東京)と、栄氏とナショナルコーチとしての契約を結んでいた日本オリンピック委員会(JOC)。
訴状によると、谷口さんは拓殖大3年だった17年9月13日、学生選抜として強化合宿に参加。スパーリング中に頭からマットに落ち、頸髄を損傷する大けがを負った。
合宿には、学生選抜が約30人、ナショナルチームの選手を含めると総勢100人以上が参加。谷口さんは、プレーを中断するために力を抜いていたのに真後ろに反り投げをかけられ、受け身を取ることができなかったと主張している。
JOCは「訴状が確認できていないのでコメントできない」としている。〔共同〕