ボーイング機墜落、「システム見直しを」エチオピア当局
【イスタンブール=木寺もも子】3月10日にエチオピア航空の米ボーイングの新型機「737MAX」が墜落した事故について、エチオピアの運輸当局は4日、ボーイングに機体の制御システムの見直しを要請すると表明した。2018年10月にインドネシアで起きた同型機の墜落事故でもシステムの問題が指摘されており、ボーイング側に過失があった可能性が高まっている。

ロイター通信によると、同日公表した暫定報告書では事故原因は特定されていない。記者会見したエチオピアのモゲス運輸相は初期の調査結果として「パイロットは手順に従った操作を行ったが機体のコントロールを失った」と語った。ボーイングに対して「機体の制御システムを見直すべきだ」と述べ、エチオピア航空側に問題はなかったとの認識を示した。
737MAXは、機首が上がりすぎて失速するのを防ぐ「MCAS」と呼ばれる自動制御システムを採用していた。欧米メディアの報道では、墜落したエチオピア航空機で直前にセンサーが誤作動し、機体が急降下した可能性が指摘されている。エチオピア当局はフランスなどの協力を得て、事故機から回収した「ブラックボックス」などのデータを基に分析を進めていた。
エチオピア航空機の事故では乗員乗客157人が死亡した。18年10月にはインドネシアの格安航空会社(LCC)最大手ライオン航空の同型機で墜落事故が起き、乗員乗客189人が死亡した。
ボーイングはソフトウエアを改修し、3日にはデニス・ミューレンバーグ最高経営責任者(CEO)が搭乗する機体で試験飛行に成功したと発表した。今後も試験飛行を重ね、運航停止命令を出している米連邦航空局(FAA)に対して報告する。運航停止は日本を含む多くの国で続いており、ボーイングは同機の引き渡しを止めている。