2019年5月23日(木)

若者が求めるニーズ「それな」を発掘しよう
ADKマーケティング・ソリューションズ 藤本耕平氏

コラム(ビジネス)
2019/4/7 6:00
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日本経済新聞社は、商品企画やマーケティングにかかわる30歳前後の若手会社員に集まってもらい、「今の若い世代の心を捉えるには」というテーマで議論しました(「トキめく仕事の見つけ方 若手社会人座談会」参照)。進行役を務めたADKマーケティング・ソリューションズ 若者プロジェクトリーダーの藤本耕平さんに現代の若者の特徴について解説してもらいました。

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30歳前後の今の若い世代を考えるときにカギとなるのが1992年だ。同年は改訂学習指導要領が施行され、文武両道や競争を促すスタイルから、個性を伸ばすことに重点を置く教育へと変容していった。

個性尊重教育の下で若い世代は「自分の物差し」を持つようになり、「ナンバーワンよりオンリーワン」はもはや当たり前に。ブランド物に代表されるように皆が同じ価値観を求めていた時代は終わり、ありのままの自分をみせる生き方を描いた映画「アナと雪の女王」が爆発的にヒットした。

共働き世帯の数が専業主婦世帯を抜いたのも同年だ(総務省「労働力調査」より)。デジタル環境の発展とともに「つながり」の在り方が大きく変化していった。一見、SNS(交流サイト)などで簡単につながるように見えるが、今は「アポイントメントの時代」。家族でも友達でも、会うにはスマートフォン(スマホ)でアポを取る。学校から帰ると母親が必ず待っている、偶然公園にいた友達と遊ぶといった習慣はなくなり、つながりは自分から能動的に求めなければ得られなくなった。

つながりの希薄化による不安から、若者たちはつながっている実感を求めるようになった。例えばプチギフトとして2016年に流行したのが、資生堂の「マジョリ画」。スマホで描いた友達の似顔絵カードとその絵に使用した同社の化粧品を贈ることができるサービスだ。そのほかにも友人同士でサプライズの誕生日会を開催するなど、相手を喜ばせることでつながりを確かめあっている。

最も大事なのは共感だろう。実は共感はつくるものではなく、彼女たちの中に元からある。それを象徴しているのが「それな」(共感したときに使う若者言葉)という相づちだ。若い世代はスマホやSNSで日々多くの情報を得ており、答えが情報の中に埋もれている。その正解を掘り当ててくれたときに、「よくぞ見つけてくれた、それな」と共感するのだ。「それな」を探しあてることこそが若者が真に求めているニーズなのかもしれない。

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