2019年6月20日(木)

セブン&アイ社長「現場の情報が上がりにくくなった」
セブンイレブン社長交代で一問一答

小売り・外食
2019/4/4 17:08
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セブン&アイ・ホールディングス(HD)は4日、子会社のセブン―イレブン・ジャパンの古屋一樹社長が8日付で代表権のない会長に退き、後任に永松文彦副社長が昇格する人事を発表した。4日に開いた記者会見でのセブン&アイHDの井阪隆一社長と、永松氏の主なやりとりは以下の通り。

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記者会見するセブンイレブンの永松次期社長(左)と、セブン&アイHDの井阪社長(4日、東京都千代田区)

記者会見するセブンイレブンの永松次期社長(左)と、セブン&アイHDの井阪社長(4日、東京都千代田区)

井阪氏「24時間営業とトップ人事の関連性がクローズアップされているが、それだけの話ではない。お客の声を聞いて、スピーディーに対応するのが小売業の使命であると考えている。だがこの1年を振り返ると、大変お恥ずかしい話だが、現場の情報が上がりにくくなっているということが少なからずあった」

永松氏「国内のコンビニを取り巻く環境は厳しく、これまでに経験したことのない根本的な変化の渦中にある。1974年に1号店を開いてから成長してきたが、一律の契約パッケージでは対応しきれなくなってきたのも事実。これからは従来以上にきめ細かく、個別店舗の経営環境に(本部として)踏み込んだ対応を図る。商圏にあわせた品ぞろえ、サービス、そして柔軟な営業時間を提供していく」

――古屋社長の交代は、24時間営業をめぐる問題への対応が原因か。

井阪氏「24時間営業そのものというより、社内のコミュニケーションの根詰まりが、組織的な問題として出ていた。2万店という巨大チェーンの情報を(古屋社長が)1人で吸い上げる負荷が高まっていた」

――具体的には。

井阪氏「いくつかあるが、たとえば(2018年2月に)福井県で記録的な大雪に見舞われた際、加盟店オーナーと本部社員のあいだで(本部社員から大雪のなかでも営業を継続するような要請があったという)会話があったというのは、メディアの報道で初めて知った。こうした事実は、お店から(現地で経営指導を担当する)本部社員を経由して本部に上がってくるべきだ。危機感を抱いていた」

――井阪社長が永松氏を選んだ理由は。

井阪氏「古屋社長とも相談して決めた。(入社以来)加盟店との接点を長く有する担当を務めてきたことや、人事部門や教育部門に在籍し、働き方改革など、今後重要な人材育成に精通していること、その後、グループ会社の再建で成果を出したことなどから決めた」

――セブンイレブンの社内コミュニケーションのありかたをどう変えていくか。

永松氏「セブンイレブンでは従来、(加盟店の経営指導にあたる)全国の社員を一堂に本部に集めて、経営方針を伝えており、それがチェーンの強さの源泉になってきた。ただ、店舗網が2万店を超えてテレビ会議を導入するなどしたことで、コミュニケーションの密度が薄くなり、個別店舗の問題が本部に伝わりづらくなっていた。今後は全役員が全国の加盟店オーナーのもとに出向いて、対話する取り組みを始める」

――24時間営業の実施について、今後は加盟店オーナーの判断に委ねるのか。

井阪氏「拙速に決めれば、オーナーの生活の基盤にリスクを及ぼす可能性がある。(時短営業の)実験を進め、その結果を精査したうえで、合意形成のもと決めていく」

永松氏「地域社会のお客にとっての利便性も重視したい。深夜にもお客が多数訪れるような店舗については、本部と加盟店で、ともに努力して(24時間営業を)継続できるようにする。逆に商圏として深夜の売り上げが少なければ、個別に対応する。(見直しを希望する)申し出は現在96店ある。時短営業の実験の結果を見ながら、オーナーには改めて情報提供して、是非を判断してもらう」

――(加盟店から本部に支払う)経営指導料の減額は考えているか。

井阪氏「現在は考えていない。むしろ1店舗あたりの売り上げをどう伸ばすかに主眼を置く」

――24時間営業の問題について、鈴木敏文・名誉顧問には報告したか。

井阪氏「私からは相談していない」

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